ボーイング JSF X-32

Boeing JSF X-32
ボーイング JSF X-32Boeing JSF X-32

JSF計画の一方

F-35に敗れたX-32

ボーイングX-32はアメリカ軍による統合打撃戦闘機(JSF:Joint Strike Fighter)計画の過程で開発された試作機の一つです。競作されたロッキード・マーチン社のF-35に敗れたため採用には至りませんでした。

統合打撃戦闘機とは、一種類の基本設計からいくつかの戦闘機を造り、基本設計を共有することで開発・生産を効率化しコストを削減させようとするものです。アメリカ空軍(F-16)、海軍・海兵隊のF/A-18及び同海兵隊とイギリス空・海軍のハリアーⅡなどが統合の対象となり、開発が進められロッキード・マーチンF-35ライトニングⅡとして結実、現在試験運用中です。

通常離着陸型のX-32A。ステルス性維持のため兵装は機内に格納されます。PHOTO Boeing
通常離着陸型のX-32A。ステルス性維持のため兵装は機内に格納されます。PHOTO Boeing

開発はアメリカを主体としてイギリスやイタリア、オランダ、ノルウェー、デンマーク、オーストラリア、トルコ、カナダなどが参加した国際共同形式となっています。F-35は日本も採用を決定していますが、開発には参加していません。

ただし、F-2開発時に米国が日本に強要した「日本の技術を無償で米国に供与すること」という条件により、最先端繊維素材による一体成型技術、AESAレーダー技術など大変重要な技術が要するに脅迫的に盗まれているわけです。そして、それらがF-35F-22に活かされていますから、大きな功労者といってもいいのではないでしょうか。これは、以前、別の仕事において、F-2関連の技術者に取材した際に確認しましたから間違いないと思われます。技術者は自分の技術が最先端戦闘機に使われていたことに誇りを持っていたようでした。それはそれで素晴らしいことですが、やはり、日本の技術が脅迫的に奪われたことに変わりないのではないでしょうか。

短距離離陸垂直離着陸型のX-32B。PHOTO Boeing
短距離離陸垂直離着陸型のX-32B。PHOTO Boeing

昨今の戦闘機開発は巨額の費用と数多くのエキスパート、そして長い時間が必要とされるため、このような形式がとられることがあります。ちなみに、本計画で制式採用されたF-35ライトニングⅡの場合、開発が始まってから2011年までに30兆円を超える費用がかかっているといわれています。

統合打撃戦闘機(JSF)計画は1995年に始まり、ボイーン社とロッキード・マーチン社に概念実証機の開発が発注されました。ボーイング社はX-32をロッキード・マーチン社はX-35を造り比較試験が行われました。X-32は通常離着陸型(CTOL)、短距離離陸垂直離着陸型(STOVL)の2種類が製造されました。

垂直離着陸試験中のX-32B。胴体中央下面に大きなエンジンノズルがみえています。写真ではみえませんが、前後にそれぞれ2つずつ傾き調整用の小さなエンジンノズルがついています。PHOTO Boeing
垂直離着陸試験中のX-32B。胴体中央下面に大きなエンジンノズルがみえています。写真ではみえませんが、前後にそれぞれ2つずつ傾き調整用の小さなエンジンノズルがついています。PHOTO Boeing

F/A-18スーパーホーネットと並ぶX-32。PHOTO Boeing
F/A-18スーパーホーネットと並ぶX-32。PHOTO Boeing

X-32の主な特長は、F-35と同じように一つの基本設計から通常離着陸型、艦載型、短距離離陸垂直離着陸型の3つの機体を造る統合性がまず第一。そしていまや通常のニュースでも使われるようになったステルス戦闘機であることです。ステルスとは、レーダーに探知され難くする技術です。

X-32B STOVL型のコクピット。PHOTO Boeing
X-32B STOVL型のコクピット。PHOTO Boeing

レーダーは電波を出しその反射によって探知していますが、ステルス機はこの反射を形状と表面加工などの技術によって小さくする技術です。この反射の大きさはRCSという言葉で表現され値が小さいほどレーダーには小さく映ります。

このRCS値はステルス機ではないF-15イーグルだと10㎡、X-32に買って採用されたF-35は0.01㎡といわれています。通常のレーダーにはほぼ映らないといっていいのではないでしょうか。
029_ Lockheed Martin F-35 Lightning Ⅱ(B)_3

X-32が採用されなかった理由はウェポンベイ(兵器搭載庫)が装備しずらいなどといわれていますが、詳細は定かではありません。「カッコ悪い」などという憶測もあります。

運用者-
主要なバリエーションX-32A 通常離着陸型
X-32B 短距離離陸垂直離着陸型
生産数-
スペック型式-
全 幅10.97m
全 長15.47m
全 高5.28m
翼面積54.8㎡
自 重-
総重量/最大離陸重量17,200g
発動機F135ターボファン(11,793kg/AB 15,876kg)×1
最大速度1,931km/h
実用上昇限度-
戦闘行動半径1,390km
航続距離-
乗 員1名
初飛行2000年9月18日
就 役-
退 役-
兵 装20mmバルカン砲×1
AIM-120 AMRAAM

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