
高性能迎撃戦闘機
最新のデータリンクを装備
※文頭写真:F-106Aデルタダート。大型・フル装備のアメリカ空軍らしい高級機です。PHOTO USAF
コンベアF-106デルタダート(1956−1988)はアメリカのコンベア社が開発したアメリカ空軍の戦闘機(要撃機)。東西の覇権争いの激化を象徴するかのように、アメリカが次々と新型戦闘機を開発していた時代を象徴するセンチュリーシリーズ(F-100番台の戦闘機)の一つです。
世界初の実用デルタ翼戦闘機であったF-102と同じ計画からうまれたデルタ翼機であり、大出力エンジンと最新型の電子機器を搭載した高性能機となっています。飛来するソ連爆撃機を迎撃する目的で開発されたため、高い高速性と上昇能力を要求されたものです。
F-106は1954インターセプター計画と銘打って始まったソ連爆撃機に対するアメリカの迎撃機開発計画から始まりました。この計画からはF-102とF-106という二つのデルタ翼戦闘機がうまれています。
1954インターセプター計画は新型電子機器MA-1レーダー射撃管制装置(FCS)やエンジンの開発遅延に難儀したコンベア社とアメリカ空軍は、ひとまず現行型を搭載したF-102Aを開発・採用し、その後F-102Aを元により高性能なF-102Bを開発するという落とし所をつけました。
このF-102BがF-106と名称変更され、F-106デルタダートとなります。全体の形状は当初からエリアルールを採用し洗練されたものとなっています。エンジンは7,302kgの大出力を発揮するプラット&ホイットニー社のJ75を搭載し1956年12月、初飛行に成功します。
飛行試験と改良は続けられ、最高速度はマッハ2を超え、到達高度は18,820mを記録しています。二段階計画ともいえるF-102/F-106の原因の一つともなった電子機器MA-1は、デルタ翼とともにF-106最大の特徴となっています。
MA-1は従来の射撃管制システムを超え、真空管を使用したデータリンクシステムとなっています。これは、北アメリカ航空宇宙防衛司令部(NORAD)が1950年代末から1980年代まで運用していた半自動式防空管制組織(SAGE=Semi-Automatic Ground Environment)とリンクして敵機を迎撃するものです。
SAGEはソ連の爆撃機(原爆搭載)を発見、迎撃するためのコンピュータシステムです。F-106はSAGEとデータリンクしており、SAGEからの命令や敵機の情報を直接、自動操縦装置が受け取ることができます。
ちなみに、このシステムは今日のコンピュータシステムにつながる大変先進的な巨大コンピュータシステムであり、開発したIBM社はSAGEの技術をその後業界を支配する大きな力としたことは想像に難くありません。
F-106の部隊配備は1959年6月に始まり、10月にはアラート任務に就きます。1970年代から徐々に退役し、1987年頃を最後に実戦部隊から退きました。退役した機体は空軍州兵で運用された他、仮想敵機として使用されました。
運用者 | アメリカ空軍 |
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主要なバリエーション | F-102B 試作機。F102の試作機のひとつとして開発された F-106A 量産型。277機製造 F-106B 複座の練習機。63機製造 NF-106B 試験機 QF-106 NASA使用機 |
生産数 | 340 |
スペック型式 | - |
全 幅 | 11.67m |
全 長 | 21.55m |
全 高 | 6.18m |
翼面積 | 61.52㎡ |
自 重 | 11,080kg |
総重量/最大離陸重量 | 15,670kg |
発動機 | J75-P-17(7,302kg)×1 |
最大速度 | 2,455km/h |
実用上昇限度 | 17,000m |
戦闘行動半径 | 1,300km |
航続距離 | 4,300km |
乗 員 | 1名 |
初飛行 | 1956年12月26日 |
就 役 | 1959年6月 |
退 役 | 1988年 |
兵 装 | 20mm機関砲×1 AIM-4F Super Falcon AIM-4G Super Falcon AIR-2Aジニー |