グラマンF9Fパンサー

Grumman F9F Panther
グラマンF9FパンサーGrumman F9F Panther

ジェット時代きたる

名門グラマンの初ジェット

※文頭写真:アメリカ海軍ジェット戦闘機としては初めて大量生産されたF9Fパンサー。グラマン社らしい頑強な戦闘機だった。PHOTO USNAVY

艦上戦闘機の名門であり、後に名実共に傑作となるF-14トムキャットを生み出すグラマン社によって開発されたF9Fパンサーは、米海軍ジェット戦闘機としては初めてのベストセラーとなり、約1,400機が生産されました。円形のガッチリとした胴体に直線翼を組み合わせた姿は、大戦中にグラマン鉄工所といわれた同社の製品らしく、みるからに逞しさを感じさせます。

アメリカ海軍空母USSレイク・シャンプレイン艦上に並ぶ、最終量産型のF9F-5パンサー。1953年(昭和28年)香港に寄港しています。PHOTO USNAVY
アメリカ海軍空母USSレイク・シャンプレイン艦上に並ぶ、最終量産型のF9F-5パンサー。1953年(昭和28年)香港に寄港しています。PHOTO USNAVY

第2次世界大戦末期、グラマン社は最後の艦上レシプロ戦闘機であるF7Fタイガーキャット、F8Fベアキャットの生産に勤しんでいたため、ジェット戦闘機開発においては他社に若干の遅れをとっていました。

グラマン社にジェット機開発が発注されたのは第2次世界大戦が終了した1946年。急ピッチで開発にとりかかったグラマン社は1947年11月24日にF9Fパンサーの初飛行に成功します。

アメリカ海軍空母USSボクサーを母艦とするVF-721アイアン・エンジェルス所属のF9F-2B。朝鮮戦争中の1951年7月15日、朝鮮半島上空を飛んでいます。2Bは対地攻撃能力を強化したタイプ。PHOTO USNAVY
アメリカ海軍空母USSボクサーを母艦とするVF-721アイアン・エンジェルス所属のF9F-2B。朝鮮戦争中の1951年7月15日、朝鮮半島上空を飛んでいます。2Bは対地攻撃能力を強化したタイプ。PHOTO USNAVY

強靭な機体構造、胴体後部を分離してエンジンを着脱する手法、前縁フラップの初採用などがもたらす高い運用性など名門グラマンらしく考えぬかれた設計となっており、制約の多い艦上戦闘機にありがちな重量過大・性能低下という悪循環に陥ることなく、頑強、コンパクト、軽量な機体に仕上がっていました。

直線翼の旧式な設計により飛行性能では他機に劣ったものの、高い実用性と頑強な造り、後発が幸いした推力の高いエンジンを持つ同機は、対地攻撃に使用されることとなります。

朝鮮戦争において爆弾を投下するF9F-2バンシー。アメリカ海軍空母USSバリー・フォージを母艦とする機体です。PHOTO USNAVY
朝鮮戦争において爆弾を投下するF9F-2バンシー。アメリカ海軍空母USSバリー・フォージを母艦とする機体です。PHOTO USNAVY

朝鮮戦争(1950-1953)では主に対地攻撃において活躍し、その頑強さをみせつけています。飛行性能ではパッとしなかったとはいえ、MiG-15を撃墜し米海軍初のジェット戦闘機撃墜を記録しています。

その後、1953年から後退翼を取り入れた発展型のF9Fクーガーと入れ替わり、朝鮮戦争後には第一線を退くこととなりました。

前が後退翼のF9F-6クーガー、奥が直線翼のF9F-5パンサー。1952年(昭和27年)。PHOTO USNAVY
前が後退翼のF9F-6クーガー、奥が直線翼のF9F-5パンサー。1952年(昭和27年)。PHOTO USNAVY

運用者アメリカ海軍
アメリカ海兵隊
アルゼンチン海軍
主要なバリエーションXF9F-1 2機発注された試作機。計画のみ
XF9F-2 3機製造された試作機
F9F-2 量産型(初期)。562機製造
F9F-2D 標的機
F9F-2P 写真偵察機型
XF9F-3 54機製造されたエンジン試験機
F9F-3 54機製造されたエンジン換装型 XF9F-4 試作機。2機製造
F9F-4 胴体と垂直尾翼を大きくした機体。109機製造
XF9F-5 試作機
F9F-5 616機製造された5型
F9F-5P 写真偵察機
F9F-5KD 無人標的機
生産数1,382
スペック型式-
全 幅11.5m
全 長11.80m
全 高3.7m
翼面積23.2㎡
自 重4,601kg
総重量/最大離陸重量8,490kg
発動機J48-P-6A(2,834kg)
最大速度932km/h
実用上昇限度13,045m
戦闘行動半径750km
航続距離1,887km
乗 員1名
初飛行1947年11月
就 役1949年5月
退 役1961年
兵 装20mm機銃×4
対空ロケット弾

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