いずも(DDH-183)

いずも(DDH-183)

日本の旗艦ともいえる存在

全長248mのヘリ空母「いずも型」の1番艦

※文頭写真:海上自衛隊
※いずも(DDH-183)の性能等については「いずも型」の記事をご覧ください。

「いずも」(DDH-183)は平成22年度(2010年度)裝備調達計画により2012年1月27に起工されました。造船はジャパンマリンユナイテッド株式会社横浜事業所磯子工場です。建造費用は1,139億円。民主党への政権交代に伴って、2009年末に予定されていた中期防衛計画策定が1年先送りされるという混乱にみまわれながらの計画実行となりました。

海上自衛隊のヘリコプター搭載型護衛艦「いずも」(DDH-183)。写真:海上自衛隊
海上自衛隊のヘリコプター搭載型護衛艦「いずも」(DDH-183)。写真:海上自衛隊

ちなみにこの時、F-35という自衛隊次期主力戦闘機の調達(7機)が民主党政権により削除され、話題となりました。海上自衛隊においては、「いずも」(DDH-183)にも搭載される掃海・輸送ヘリコプターMCH-101の調達(2機)のキャンセルや哨戒ヘリコプターSH-60Kの調達機数削減(5機から3機へ)など国防に支障をきたす事態となりました。

そんな危機を乗り越え、2012年1月の起工から1年半後経った2013年(平成25年)の夏、8月6日、ジャパンマリンユナイテッド株式会社横浜事業所磯子工場において「いずも」(DDH-183)の命名式及び進水式が行われました。全長248m、艦のほぼ上部前面を覆う全通甲板を備えた姿は「日本の空母」として国内外に大きく報道されました。

海上自衛隊のヘリコプター搭載型護衛艦「いずも」(DDH-183)。写真:海上自衛隊
海上自衛隊のヘリコプター搭載型護衛艦「いずも」(DDH-183)。写真:海上自衛隊

海上自衛隊のヘリコプター搭載型護衛艦「いずも」(DDH-183)。写真:海上自衛隊
海上自衛隊のヘリコプター搭載型護衛艦「いずも」(DDH-183)。写真:海上自衛隊

護衛艦には、天象、気象、山岳、河川、地方の名を付けることが通例となっています。命名については、海上自衛隊による説明を引用します。
「護衛艦は天象、気象、山岳、河川、地方の名を付与することが標準とされている。
「いずも」は、出雲国に由来し、山陰道に位置し、現在の島根県東部にあたる。別称は雲州。 古代史における政治・宗教の一大中心地をなしたところであり、国名の由来は雲が湧き上がる様子を表す語、あるいは稜威母(いずも)という、日本国母神「イザナミ」の尊厳への敬意を表す言葉からきた語など諸説がある。
旧海軍の艦名としては、明治33年竣工の装甲巡洋艦。日露戦争から太平洋戦争終戦まで海軍に在籍し、昭和22年に解体されるまで47年間にわたり国に貢献した功労艦であり、海上自衛隊のなかで最も大型の護衛艦として今後数十年にわたり国防の任にあたる艦名として相応しいことから候補名称として採用され、防衛大臣が決定した。」(海上自衛隊HPより)

進水式の後、作戦能力獲得のための訓練などを経て、2015年3月25日、神奈川県横須賀基地に配備され、第1護衛隊群第1護衛隊に配属されました。名実ともに、配備時点において日本の旗艦ともいえる存在となりました。

横須賀基地に停泊中の「いずも」(DDH-183)。写真:世界の兵器
横須賀基地に停泊中の「いずも」(DDH-183)。写真:世界の兵器

「いずも」(DDH−183)の配備に伴い、ヘリコプター搭載型である「ひゅうが型」護衛艦の1番艦「ひゅうが」(DDH-181)は舞鶴に配備され、横須賀を司令部とする第1護衛隊群第1護衛隊は2015年(平成27年)12月現在、以下の構成となりました。

第1護衛隊群第1護衛隊(司令部:横須賀)
「むらさめ」(DD-101) 4,550t、横須賀
「いかづち」(DD-107) 4,550t、横須賀
「はたかぜ」(DDG-171) 4,600t、横須賀
「いずも」(DDH-183) 19,500t、横須賀

第1護衛隊群には他に佐世保を司令部とする第5護衛隊があり、「こんごう」(DDG-173)、「あけぼの」(DD-108)、「ありあけ」(DD-109)、「あきづき」(DD-115)が所属しています。

横須賀基地に停泊中の「いずも」(DDH-183)。写真:世界の兵器
横須賀基地に停泊中の「いずも」(DDH-183)。写真:世界の兵器

ちなみに、DDH、DDGなどの表示は以下のような意味があります。
護衛艦(汎用護衛艦、対空/多目的護衛艦、対潜護衛艦など)=DD
ヘリコプター搭載護衛艦=DDH
ミサイル護衛艦=DDG

「いずも」就役を契機に考える

ヘリコプター搭載型護衛艦「いずも型」の就役は、海上自衛隊が高性能艦を多数就役させてきた中でも、群を抜いて存在感がありました。

確かに世界の通例からいうとヘリ空母であり、それは大切なことなのですが、それとともに印象深い「いずも」という艦名から様々なことを考えさせられました。安倍政権が当たり前の主権国家に向かって歩みを始めた時期であることも影響していると思います。

出雲は国譲りの神話に登場する古代国家。譲った出雲の血統も、譲り受けた大和王権の天皇陛下も神話の時代から現在まで続いています。天皇家が王朝として万世一系に積み重ねた年月は2,600年超。恐らく人類史上、他に類を見ることはできません。

その長い長い歴史において、実は、日本が他国に戦争で負けたのは一度きり、第2次世界大戦のアメリカ戦のみです。敗戦から70年を経たいま、「いずも」(DDH-183)の就役を契機として、そろそろ前を向いて強靭な主権国家として再び歩んでいくべきだと改めて考えました。

話はそれますが、元寇の時、日本は台風(神風)のおかげで侵略軍を撤退したとよくいわれます。教科書でも重大な祖国の国難に日本の武士がどう戦ったか、詳しくは書いていなかったように思います。しかし、これはおかしな教育です。ある別媒体で原稿を書いた際、鎌倉幕府の公式記録『吾妻鏡』の関連記述を確認すると、日本の武士は主として自分たちの力で侵略軍を追い返していることがわかります。

なぜこんなことを書いたかというと、日本の空母型護衛艦には様々な思いがあったからです。2007年、海自初の空母型となった「ひゅうが」(DDH-181)が進水した時、恥ずかしながら「日本が空母を持つ」ということに何故か微妙な違和感を感じ、直後、我に返って恥じました。

ほんの少しの違和感ながら、戦後の歪んだ教育や報道が確実に自分の脳を蝕んでいることに悪寒がしたのです。これが契機となり、日本の歴史や安全保障を勉強し直し、努めて歪みを叩き出すようにしました。

横須賀基地に停泊中の「いずも」(DDH-183)。写真:世界の兵器
横須賀基地に停泊中の「いずも」(DDH-183)。写真:世界の兵器

6年を経た2013年、「いずも」(DDH-183)の進水・就役にあたり、今度は公正に、そして意義深く受け取ることができ、とても印象に残りました。

「いずも」(DDH-183)関連ニュース

◎米海兵隊「MV-22 オスプレイ」との発着艦訓練(平成28年7月22日)
「いずも」(DDH-183)は同日、九州西方海域(薩摩半島西方)において、突出した輸送能力を持つヘリコプター「MV-22 オスプレイ」(米海兵隊所属)との発着艦訓練を行ないました。「いずも」と「MV-22オスプレイ」の組み合わせは、輸送・上陸作戦能力を大幅に向上させますから、陸上自衛隊所属「オスプレイ」との共同訓練も進めてもらいたいものです。

種別護衛艦
運用者海上自衛隊
いずも型
製造者ジャパン マリンユナイテッド(横浜事業所磯子工場)
母港横須賀
排水量19,500t(27,000t)
全長248m
全幅38m
吃水7.3m
速力30ノット
乗員470名(970名・便乗者含む)
発動機COGAC方式/ゼネラル・エレクトリック(IHIライセンス生産)LM2500IEC型ガスタービンエンジン(28,000ps)×4
主な兵装高性能20mm機関砲×2基
対艦ミサイル防御装置)×2基
魚雷防御装置 1式
対水空レーダー 1基
対水上レーダー 1基
水上艦用ソーナーシステム 1式
EW装置 1式
情報処理装置 1式
搭載機
進水2013年8月6日
就役2015年3月25日
退役-

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