マクドネルF3Hデモン

McDonnell F3H Demon
マクドネルF3HデモンMcDonnell F3H Demon

F-4ファントムⅡを予感させる機体

エンジン開発に泣かされる

※文頭写真:開発当初はエンジンの不調に泣かされたものの、最終的には、まずまずの性能を発揮したF3Hデモン。PHOTO USNAVY

F3Hデモンは、後に傑作F-4ファントムⅡをうみだすことになるマクドネル社が開発し、1951年に初飛行した米海軍の艦上戦闘機です。

第2次世界大戦の末期から始まったジェット戦闘機開発は苛烈を極めており、1950年代は米海軍だけでも10機以上が開発され初飛行しています。そして、ジェット戦闘機の黎明期は同じくジェットエンジンの黎明期でもありました。

1956年6月4日、セントルイスを飛行中のF3H-2デモン。PHOTO USNAVY
1956年6月4日、セントルイスを飛行中のF3H-2デモン。PHOTO USNAVY

本機はジェットエンジン黎明期に泣かされた機体です。米海軍は当時として革新的な大推力を持つエンジンとして期待されていたウエスティングハウス社製XJ40-WE-8(3,357kg アフターバーナー時4,944kg)を組み込んだ艦隊防空戦闘機の開発を各メーカーに要求提示しました。

6社の中からマクドネル社の案が選ばれ開発がスタートしました。大きな角度が付けられた後退翼、胴体後部を延長して配された尾翼が特徴的です。全体のスタイルはどことなF-4ファントムⅡに似ています。

1951年8月7日には試作初号機が完成しますが、XJ40-WE-8は間に合わずアフターバーナーのないXJ40-WE-6が搭載されました。このエンジンは推力が期待はずれであり、安定性にも欠けていました。

マクドネル社はGE社のJ47エンジンやアリソン社のJ71エンジンへの変更を米海軍に求めたものの1年もの間拒否され続けます。その後、J71エンジンへの変更が許可されるものの、生産途中の機から許可されます。

1953年になってやっとXJ40-WE-8エンジンを積んだ機体による飛行試験が行われますが、エンジンの不調による事故続発により5機を失い、パイロットも数名が死亡する事態に陥り、1955年7月には飛行停止処分となってしまいます。

その後、問題多発のXJ40-WE-8から開放され、J-71-A-2(4,536kg、アフターバーナー時6,532kg)に換装し、あわせて主翼を拡張した試作機F3H-2Nはやっと合格ラインの結果を出すことができ、1956年から部隊配備を開始、1964年まで運用されました。

運用者アメリカ海軍
主要なバリエーションXF3D 試作機
F3D-1 量産型
F3D-1M 空対空ミサイル(スパローⅠ)搭載
F3D-2 エンジン換装。237機製造
F3D-2M 改修型。空対空ミサイル(スパローⅠ)搭載
F3D-2Q 電子戦機。30機製造
F3D-2T 電子訓練機
F3D-3 計画のみ
生産数519
スペック型式-
全 幅10.76m
全 長17.72m
全 高4.43m
翼面積48.22㎡
自 重9,656kg
総重量/最大離陸重量17,690kg
発動機J71-A-2A(6,532kg)
最大速度1,035km/h
実用上昇限度13,000m
戦闘行動半径1,275km
航続距離1899km
乗 員1名
初飛行1951年8月7日
就 役1956年3月
退 役1956年3月
兵 装20mm機関砲×4
2,720kg爆弾

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