「2000年代の軍用艦」タグアーカイブ

あたご(DDG-177)

あたご(DDG-177)

イージス護衛艦「あたご型」1番艦

海自最強のイージス護衛艦

※「あたご」(DDG-177)の性能について詳しくは「あたご型」の記事をご覧ください。
※文頭写真:海上自衛隊

「あたご」(DDG-177)は、海上自衛隊のイージス護衛艦「あたご型」1番艦。海上自衛隊には「あたご型」の他に「こんごう型」4隻のイージス艦があり、計6隻のイージス艦が配備されています。現在計画中の新型イージス護衛艦が就役するまでは、海上自衛隊最強のミサイル護衛艦となります。

新型イージス艦は、平成30年(2018年)から2隻が進水しますから、これが成ればイージス艦8隻体制となります。当初、「こんごう型」のみが弾道ミサイル防衛(BMD)能力を持っていましたが、本艦も平成28年(2016年)に能力が付与されました。。

これらイージス弾道ミサイル迎撃システムに搭載する、弾道ミサイル迎撃用ミサイルSM-3の国産化も進んでおり、THAAD(Terminal High Altitude Area Defense missile=終末高々度防衛ミサイル)、PAC3(Patriot Advanced Capability 3)とともに、日本の領空・領土を犯そうとする輩を迎え撃ちます。

平成29年11月、珍しく横須賀に停泊する「あたご」(DDG-177)。
平成29年11月、珍しく横須賀に停泊する「あたご」(DDG-177)。

「あたご」(DDG-177)の起工は平成16年(2004年)4月5日、進水は平成17年(2005年)8月24日、就役は平成19年(2007年)3月15日、造船は三菱重工業長崎造船所です。京都府の愛宕山にちなんで名づけられました。就役翌年の平成20年(2008年)、同艦が漁船と衝突するという事故がありました。

平成29年11月、珍しく横須賀に停泊する「あたご」(DDG-177)。
平成29年11月、珍しく横須賀に停泊する「あたご」(DDG-177)。

「あたご」(DDG-177)は、全長165m、全幅21m、満載排水量10,000トン(基準排水量7,700トン)、就役後は第3護衛隊群第63護衛隊(舞鶴)に編入、組織改編にともない平成20年(2008年)第3護衛隊群第3護衛隊(舞鶴)となりました。

「あたご」(DDG-177)。写真:海上自衛隊
「あたご」(DDG-177)。写真:海上自衛隊
2011年11月4日、太平洋上において日米年次訓練にのぞむ「あたご」(DDG-177)。写真USNAVY
2011年11月4日、太平洋上において日米年次訓練にのぞむ「あたご」(DDG-177)。写真USNAVY
見上げている大きな構造物にはイージス武器システムの中心となるSPY-1Dレーダーがあります。現代艦には、その他にも様々なレーダーやソナー、情報処理端末など数多くの電子機器が搭載されています。写真:海上自衛隊
見上げている大きな構造物にはイージス武器システムの中心となるSPY-1Dレーダーがあります。現代艦には、その他にも様々なレーダーやソナー、情報処理端末など数多くの電子機器が搭載されています。写真:海上自衛隊
運用者海上自衛隊
主要なバリエーション
生産数
スペック型式
全 幅21m
全 長165m
全 高
翼面積
自 重
総重量/最大離陸重量
発動機COGAC方式/ゼネラル・エレクトリック(IHIライセンス生産)LM2500-30型ガスタービンエンジン(25,000ps)×4
最大速度
実用上昇限度
戦闘行動半径
航続距離
乗 員300名
初飛行
就 役平成19年(2007年)3月15日
退 役-
兵 装

あしがら(DDG-178)

あしがら(DDG-178)

「あたご型」イージス護衛艦の2番艦

海自のイージス護衛艦「あたご型」2番艦

※「あしがら」(DDG-178)の性能等について詳しくは「あたご型」の記事をご覧ください。
※文頭写真:海上自衛隊

海上自衛隊の「あしがら」(DDG-178)は、平成28年現在、海自最強の軍艦です(「いずも型」、「ひゅうが型」はヘリ空母型ですから除きます)。イージス武器システムとそれを利用したイージス弾道防衛システムを備えています。

全長165m、全幅21m、基準排水量7,700トン(満載排水量10,000トン)、石川島播磨重工がライセンス生産したガスタービンエンジン4基を2軸推進方式で配置し10万馬力を発します。

起工は平成17年(2005年)4月6日、平成18年(2006年)8月30日に進水、平成20年(2008年)3月13日に就役、佐世保の第2護衛隊群第2護衛隊に編入されました。造船は三菱重工長崎造船所です。

ミサイル発射のメイン裝備となるのは、Mk.41VLS(Vertical Launching System=垂直発射装置)です。甲板に縦に埋め込まれた筒が整然と並び、ミサイルはこの筒(発射装置)に収まっています。発射の際には蓋がパカっと空いて発射、ミサイルが飛び出します。

使用するミサイルはSM-2(スタンダードミサイル2)とSM-3です。SM-2は通常のミサイルや航空機を迎撃し、SM-3は弾道ミサイル防衛に使用します。VLS(垂直発射装置)は8セル一組になっており、「あしがら」(DDG-177)には96セルが設置されています。

就役当初はSM-3を使用した弾道ミサイル防衛能力が備わっておりませんでしたが、平成24年(2012年)に予算化され、平成30年(2018年)に能力付与が完了することとなっています。

他にも単装砲、機関砲、対艦誘導弾、魚雷発射管などを備え、ヘリコプター1機が搭載できます。これらの火器はイージス武器システムにより統括され、人力で目標の補足から攻撃までを行っていた時代とは隔世の戦闘力を発揮します。一般的には128以上の目標を同時に補足・追跡し、10以上の目標を同時に迎撃できるといわれています。

「あしがら」(DDG-178)のような現代における一流の軍艦は、各種のレーダー、センサー、ソナー、データ・リンクによる大量の情報をコンピュータ化して迅速・確実に処理し、武器を統制するイージス武器システムが精密に迎撃します。

こういったハイテク化は日進月歩で進んでいますが、それとともにサイバー攻撃の脅威も大きくなっています。すでにアメリカと中国は激しくやりあっていると聞きます。海上自衛隊が誇る艦艇が能力を発揮するためには、サイバー攻撃を跳ね返し、場合によっては防衛のために攻撃しなくてはいけません。艦艇の裝備とともに、自衛隊が世界一のサイバー部隊を保持してほしい、自衛隊ならやってくれると思っています。

「あしがら」(DDG-178)。写真:海上自衛隊
「あしがら」(DDG-178)。写真:海上自衛隊

「あしがら」(DDG-178)。写真:海上自衛隊
「あしがら」(DDG-178)。写真:海上自衛隊
「あしがら」(DDG-178)。写真:海上自衛隊
「あしがら」(DDG-178)。写真:海上自衛隊
「あしがら」(DDG-178)。写真:海上自衛隊
「あしがら」(DDG-178)。写真:海上自衛隊
運用者海上自衛隊
主要なバリエーション
生産数
スペック型式
全 幅21m
全 長165m
全 高
翼面積
自 重
総重量/最大離陸重量
発動機COGAC方式/ゼネラル・エレクトリック(IHIライセンス生産)LM2500-30型ガスタービンエンジン(25,000ps)×4
最大速度
実用上昇限度
戦闘行動半径
航続距離
乗 員300名
初飛行
就 役平成20年(2008年)3月13日
退 役-
兵 装

あたご型

あたご型

弾道ミサイル防衛を担う日本のイージス艦

日本海軍力の中核を担う1隻

※文頭写真:「あたご型」2番艦の「あしがら」(DDG-178)。写真:海上自衛隊

「あたご型」護衛艦は、平成16年(2004年)から平成20年(2008年)にかけて、三菱重工長崎造船所において建造された海上自衛隊のミサイル護衛艦です。

1番艦の「あたご」(DDG-177)、2番艦「あしがら」(DDG-178)の2艦が就役しています。建造費用は1隻約1,500億円。全長165m、全幅21m、満載排水量10,000トン、ステルス性を付与した形状が特徴的です。

イージス武器システム、イージス弾道ミサイル防衛システムを搭載した(追加搭載中)、世界トップクラスの強力な軍艦といっていいでしょう。

あたご(DDG-177)。イージス武器システムを搭載した大型艦です。写真:海上自衛隊
あたご(DDG-177)。イージス武器システムを搭載した大型艦です。写真:海上自衛隊

米国が開発したイージス武器システムを中心に、多数のハイテク機器・兵器を搭載したいわゆるイージス艦は、現在世界最強の軍艦です。そのイージス艦の中でも最強といえるのが、母国米国のタイコンデロガ級ミサイル巡洋艦(27隻)、次いで同じくアーレイバーグ級ミサイル駆逐艦(68隻・建造中含む)であり、このアーレイバーグ級をモデルに造られたのが日本のイージス艦、「こんごう型」及び本級「あたご型」です。

「あたご型」と前級「こんごう型」の大きな相違点は、イージスシステムの新型化、ヘリコプター格納庫の設置等ヘリコプター運用能力強化、ステルス能力強化、機関出力強化といったところです。

あたご(DDG-177)の艦橋。イージス武器システムの中核を担うSPY-1レーダーが格納されています。また艦橋前方の甲板には垂直発射装置(VLS)がみえます。写真:海上自衛隊
あたご(DDG-177)の艦橋。イージス武器システムの中核を担うSPY-1レーダーが格納されています。また艦橋前方の甲板には垂直発射装置(VLS)がみえます。写真:海上自衛隊

あたご(DDG-177)の艦橋後方は、艦橋後部側面に付けられたレーダーに干渉しないために角度がつけられています。構造物後部甲板には垂直発射装置(VLS)があります。写真:海上自衛隊
あたご(DDG-177)の艦橋後方は、艦橋後部側面に付けられたレーダーに干渉しないために角度がつけられています。構造物後部甲板には垂直発射装置(VLS)があります。写真:海上自衛隊

「あたご型」に続く新型のイージス護衛艦は、平成27年度計画において1番艦1,680億円、翌28年度計画では2番艦1,675億円の予算が計上されています。予定では平成30年(2018年)には1番艦が進水しますから、我々一般人も各種報道でお目にかかれるはずです。新型イージス艦2隻が就役すると、日本のイージス艦は8隻体制となります。

「あたご型」は弾道ミサイル防衛を想定した艦ではありますが、当初は能力が付与されておりませんでした。平成24年度の予算において組み込まれており、予定通りに進めば新型イージス艦が進水する平成30年に弾道ミサイル防衛(BMD)能力の付与が完了することとなっています。

米国、日本以外では、スペイン(5隻)、ノルウェー(5隻)、韓国(3隻)、オーストラリア(建造中1隻、計画2隻)がイージス艦を保有しています。いずれもコストダウン、簡易化が施されており、おそらく能力的には日本のイージス艦には及ばないものと思われます。韓国のイージス艦については、あまりにお粗末な報道が散見され、それらを見る限り、イージス艦としてというより、そもそも軍艦としてきちんと行動できるかどうか疑問を持たざるを得ません。

あたご(DDG-177)。写真:海上自衛隊
あたご(DDG-177)。写真:海上自衛隊

兵装

◎VLS
打撃力の中心となるミサイルを発射するのはMk41 VLS(Vertical Launching System)と呼ばれる米国製の発射機です。日本語ではMk41垂直発射システムといい、その名のとおり、ミサイルを縦に1発収納した筒が整然と並んでおり、垂直にならんだ蜂の巣のようです。

垂直発射システム(VLS=Vertical Launching System)。写真:海上自衛隊
垂直発射システム(VLS=Vertical Launching System)。写真:海上自衛隊

8筒(セル)を1単位としており、「あたご型」には64筒+32筒、計96筒が裝備されています。発射する場合には、その筒の先端がパカっと空いて、そのまま発射されます。VLSからは、SM(スタンダードミサイル)-2、SM-3という対空ミサイル及び、VLA(VL-Asroc)という対潜ミサイルを発射します。

SM(スタンダードミサイル)は、西側自由諸国で標準的に利用される米国製ミサイル。主に「あたご型」のようなイージス艦に搭載され、飛来するミサイルや航空機を撃墜するために使用されます。

SM-2は通常のミサイルや航空機を迎撃し、SM-3は弾道ミサイル防衛に使われます。敵戦闘機や敵艦から発射されたミサイルが「あたご型」に襲来した場合にはSM-2で粉砕し、弾道ミサイルや偵察衛星などは、SM-3によって撃ち落とします。

SM-2にはいくつかのバリエーションがありますが、概ね全長4.72m、直径0.35m、重量700g、射程距離70〜160kmといったスペックです。

弾道ミサイル防衛用のSM-3は、北朝鮮による度重なるミサイル発射実験を契機に開発・国産化が進められており、現在ではSM-3 Block2Aの生産体制の準備が予算化されています。当初のSM-3は射程距離700kmと中距離弾道ミサイルへの対処が限定的でしたが、Block2Aではこれに対処し、射程2,500km、最高高度1,500kmと飛躍的に性能向上がなされています。

VLA(VL-Asroc)はMk.41垂直発射システム(VLS)から発射するアスロック対潜ミサイル。射程距離は22km程です。

◎機関砲、単装砲
機関砲は20mm、CIWS(Close In Weapon System)というシステムにより射撃統制されます。有効射程は数km程度であり、至近距離にきたミサイルや航空機などを自動的に補足し射撃します。最後の防御手段というところです。

62口径5インチ単装砲(Mk.45mod4)は、見た目はみんなが知っている戦艦の砲という外観ですが、現代の単装砲は完全自動化されています。1分間に20発を発射でき、最大射程は37kmです。

62口径5インチ砲(Mk.45 5インチ単装砲)。写真は胴型を搭載した米海軍のイージス・ミサイル駆逐艦、アーレイ・バーク級「ベンフォールド」のものです。写真:USNAVY
62口径5インチ砲(Mk.45 5インチ単装砲)。写真は胴型を搭載した米海軍のイージス・ミサイル駆逐艦、アーレイ・バーク級「ベンフォールド」のものです。写真:USNAVY

◎90式艦対艦誘導弾
「あたご型」には国産の90式艦対艦誘導弾が搭載されます。上述のVLSからではなく、独自の4連装発射筒(2基)から発射されます。防衛省技術研究本部と三菱重工により開発され、全長約5m、重量660kg、時速1,150kmにて飛翔し、射程距離は150kmです。

90式艦対艦誘導弾は発射後すぐにシースキミング式巡航に移行します。シースキミングとは、海面スレスレを飛行することで地球の丸みを利用し、敵のレーダーに発見され難くする戦術です。飛行機が対艦攻撃する際にも用いられます。

◎68式3連装短魚雷発射管
米国製Mk.32単魚雷発射管を日本がライセンス生産したものです。米国製Mk.44、M.k46、73式短魚雷などの魚雷を発射します。「あたご型」では2基が裝備されています。

艦載機

「あたご型」は「こんごう型」を前級としていますが、「こんごう型」から「あたご型」への更新にあたり最も大きな変更点であったのが、航空機運用能力の強化です。「こんごう型」ではヘリコプター甲板のみでしたが、「あたご型」ではSH-60J/K哨戒ヘリコプターを1機搭載可能な格納庫が設けられています。

日米のような強力な艦隊にとっては唯一の大きな脅威は潜水艦であり、そのため、対潜哨戒ヘリコプターの搭載は推進される傾向にあります。

イージス武器システム

「あたご型」はイージス武器システム(ベースライン7.1J)という戦闘システムが搭載されています。これは、多機能レーダーAN/SPY-1D(v)を中心に各種レーダー、センサー、アンテナ、データーリンクなどの情報を集約し、最適な戦闘をオペレートするものであり、人間が個々に情報収集し、判断、攻撃という時代とは比べ物にならない戦闘力を発揮します。128以上の目標を同時に補足追跡し、10以上の目標を同時に迎撃する能力を持っているといわれます。

運用者海上自衛隊
主要なバリエーション
生産数
スペック型式
全 幅21m
全 長165m
全 高
翼面積
自 重
総重量/最大離陸重量
発動機COGAC方式/ゼネラル・エレクトリック(IHIライセンス生産)LM2500-30型ガスタービンエンジン(25,000ps)×4
最大速度
実用上昇限度
戦闘行動半径
航続距離
乗 員300名
初飛行
就 役平成19年(2007年)〜平成20年(2008年)
退 役-
兵 装

ひゅうが(DDH-181)

ひゅうが(DDH-181)

海自の初代ヘリ空母「ひゅうが型」の1番艦

海自、戦後最大の護衛艦として建造される

※文頭写真:海上自衛隊。
※「いせ」(DDH-182)の性能等についての詳細は「ひゅうが型」記事をご覧ください。

「ひゅうが」(DDH-181)は海上自衛隊の国産ヘリ空母。海上自衛隊ではヘリコプター搭載型護衛艦に分類されています。

平成16年(2004年)に発注され、平成18年(2006年)5月11日起工、平成19年(2007年)8月23日進水、平成21年(2009年)3月18日に就役、第1護衛隊群第1護衛隊に編入され、神奈川県の横須賀港に配備されました。その後、平成27年(2015年)第3護衛隊群第3護衛隊に編入され、京都府舞鶴港に転籍となりました。

横須賀に配備された当時、一目見たいとかけつけました。横須賀港はJR横須賀駅にとても近く、海沿いに公園が整備されているため、ゆったりとみることができます。

それまでも、海上自衛隊の護衛艦は同じ場所からみたことはあり、米軍の原子力空母にも搭乗したことがありましたが、それらとは違う感銘を受けました。

いまから70年前、日本の先人たちは欧米の植民地化を拒否し、大東亜戦争を戦いました。大砲巨艦主義が席巻していたその時代、日本は空母機動艦隊という戦術を編み出し果敢に戦いました。

戦後の歪んだ教育、事実に反する刷り込みにも屈せず、我らの海上自衛隊は世界最古の独立国家である日本の海軍として、限られた状況のなか、屈強にあり続けたことを「ひゅうが」(DDH-181)をみて思い出しました。

全長197m、全幅33m、満載排水量19,000トン、全通甲板を有した「ひゅうが」(DDH-181)の雄姿は、それほどに実に頼もしいものです。

潜水艦の脅威から領海を守る

大雑把にいってしまえば、現状、日米艦隊の作戦行動において唯一の大きな脅威は潜水艦です。そのため海上自衛隊は、日本領海における機雷掃海・対潜水艦の脅威除去を大きな任務としており、その任務を果たすために「ひゅうが」(DDH-181)も建造されました。

「ひゅうが」(DDH-181)の搭載するヘリコプターは、強力な対潜水艦能力を発揮するだけでなく、災害時には救援活動の母艦として大いに活躍するでしょう。さらには、高度な指揮・管制能力を持っており、陸海空自衛隊、場合によっては米軍とも連携した統合作戦における洋上の自衛隊司令部として任務を遂行します。

平成28年熊本地震

平成28年(2016年)4月14日午後9時26分頃、熊本地方を震源としてマグニチュード6.5、最大震度7、続いて4月16日午前1時25分頃、同じくマグニチュード7.3、最大震度6強という大きな地震が発生しました。この災害に際して、「ひゅうが」(DDH-181)は八代海に停泊してヘリや物資の集積拠点として災害支援活動を行ないました。

災害支援にあたった米海兵隊のMV22オスプレイは、「ひゅうが」(DDH-181)に離着艦し救援物資の積み込みや燃料給油などを行いました。

「ひゅうが」(DDH-181)。写真:海上自衛隊
「ひゅうが」(DDH-181)。写真:海上自衛隊

「ひゅうが」(DDH-181)。写真:海上自衛隊
「ひゅうが」(DDH-181)。写真:海上自衛隊
「ひゅうが」(DDH-181)。写真:海上自衛隊
「ひゅうが」(DDH-181)。写真:海上自衛隊
「ひゅうが」(DDH-181)の艦橋。各種のアンテナがみえます。写真:海上自衛隊
「ひゅうが」(DDH-181)の艦橋。各種のアンテナがみえます。写真:海上自衛隊
「ひゅうが」(DDH-181)に着艦するSH-60J。写真:海上自衛隊
「ひゅうが」(DDH-181)に着艦するSH-60J。写真:海上自衛隊
米艦隊と行動中の「ひゅうが」(DDH-181)。一番手前が「ひゅうが」、一つ奥は米海軍原子力空母「ジョージ・ワシントン」。写真:海上自衛隊
米艦隊と行動中の「ひゅうが」(DDH-181)。一番手前が「ひゅうが」、一つ奥は米海軍原子力空母「ジョージ・ワシントン」。写真:海上自衛隊
平成28年熊本地震において災害支援を行う「ひゅうが」。熊本県八代沖にて米海兵隊のMV22オスプレイが着艦しています。写真:海上自衛隊
平成28年熊本地震において災害支援を行う「ひゅうが」。熊本県八代沖にて米海兵隊のMV22オスプレイが着艦しています。写真:海上自衛隊
運用者海上自衛隊
主要なバリエーション
生産数
スペック型式
全 幅33m
全 長197m
全 高
翼面積
自 重
総重量/最大離陸重量
発動機COGAC方式/ゼネラル・エレクトリック(IHIライセンス生産)LM2500型ガスタービンエンジン(25,000ps)×4
最大速度
実用上昇限度
戦闘行動半径
航続距離
乗 員約380名
初飛行
就 役平成21年(2009年)3月18日
退 役-
兵 装

ラッセン

Lassen(DDG-82)
ラッセンLassen(DDG-82)

フライト2A能力向上型、イージス駆逐艦

横須賀を母港とする第7艦隊に所属

ラッセン(2001-)は、イージス・システムを搭載したアメリカ海軍のアーレイ・バーク級ミサイル駆逐艦の32番艦です。1998年8月に起工され、1999年10月に進水、2001年4月に就役しました。製造費は約800億円(1ドル100円として)。横須賀を母港とする第7艦隊に所属しています。

南シナ海において訓練中のラッセン(DDG-82)。マーク45 5インチ砲を発射しています。PHOTO USnavy
南シナ海において訓練中のラッセン(DDG-82)。マーク45 5インチ砲を発射しています。PHOTO USnavy

同級は弾道ミサイル防衛の一翼を担う高性能艦であり、アメリカ海軍の優秀な軍艦の中でも最も成功を収めたといえ、現在も製造が続き70隻以上が建造される予定となっています。

最新鋭イージス駆逐艦らしく、数多くのアンテナや電子設備に囲まれた艦橋。手前のCIWSからは硝煙が漂っています。2015年9月16日。PHOTO USnavy
最新鋭イージス駆逐艦らしく、数多くのアンテナや電子設備に囲まれた艦橋。手前のCIWSからは硝煙が漂っています。2015年9月16日。PHOTO USnavy

アメリカ海軍のアーレイ・バーク級ミサイル駆逐艦は他の兵器と同じく随時能力向上が進められており、ラッセンは最新のフライト2Aという能力が付与されています。大きな特長は警戒能力を高めるヘリを2機搭載するための格納庫が設置されていることです。

ラッセン(DDG-82)から離艦するMH-60Rシーホーク。同艦に搭載されるヘリは能力を飛躍的に高めてくれます。PHOTO USnavy
ラッセン(DDG-82)から離艦するMH-60Rシーホーク。同艦に搭載されるヘリは能力を飛躍的に高めてくれます。PHOTO USnavy

また、ミサイルを発射するVLS(Vertical Launch Systems)はこれまでの90セルから96セルに増強されています。VLSからはトマホーク(対地・対艦巡航ミサイル)、スタンダードSAM-2(艦対空ミサイル)、ESSM SAM(艦対空ミサイル)、アスロック(艦対潜ミサイル)などを発射することができます。

対地巡航ミサイルトマホークを発射するラッセン(DDG-82)。PHOTO USnavy
対地巡航ミサイルトマホークを発射するラッセン(DDG-82)。PHOTO USnavy

至近距離においてミサイルや航空機を迎撃する兵器として2基の20mmファランクス シウス(CIWS=Close In Weapon System)が搭載されています。日本語でいうと近接防御火器システムとなります。

ファランクスCIWSを発射するラッセン(DDG-82)。PHOTO USnavy
ファランクスCIWSを発射するラッセン(DDG-82)。PHOTO USnavy

ラッセン(DDG-82)艦上の射撃訓練。PHOTO USnavy
ラッセン(DDG-82)艦上の射撃訓練。PHOTO USnavy

中国の侵略進む南シナ海に派遣される

中国は南シナ海において、国際法において領海や領域の根拠とすることが認められない、満潮時に水没する岩礁を埋め立て、勝手に領海として権利を主張しています。これに対してアメリカは2015年(平成27年)10月27日、「航行の自由作戦」と題して本艦を派遣。中国が勝手に領海であると主張している人工島の12海里内を航行しました。

運用者アメリカ海軍
主要なバリエーション
生産数
スペック型式
全 幅20.4m
全 長155m
全 高
翼面積
自 重
総重量/最大離陸重量
発動機LM2500-30ガスタービンエンジン(27,000shp)×4基(2軸)
最大速度
実用上昇限度
戦闘行動半径
航続距離
乗 員
初飛行
就 役2001年4月21日
退 役-
兵 装

ロナルド・レーガン

Ronald Reagan(CVN-76)
ロナルド・レーガンRonald Reagan(CVN-76)

アメリカ海軍原子力空母ニミッツ級の第9番艦

9隻目のニミッツ級原子力空母

※文頭写真:ハワイの真珠湾においてロナルド・レーガン(CVN-76)艦上からアリゾナ記念館に敬礼する船員たち。2005年1月22日。PHOTO USNAVY

ロナルド・レーガン(CVN-76)は、アメリカ海軍ニミッツ級航空母艦の第9番艦として2003年に就役しました。ニミッツ級原子力空母は、世界で初めて量産された原子力空母の級であり、世界最強アメリカ海軍の中でもそこに存在するだけで抑止力を発揮する、桁外れの存在です。

平成27年(2015年)5月に平成20年(2008年)以来の任務を終えて横須賀を出航したジョージ・ワシントン(CVN-73)に替わり2015年(平成27年)10月1日、横須賀に配備されました。キティ・ホーク(CVA-63)に替わってジョージ・ワシントン(CVN-73)が入港する際には、横須賀の海軍基地関係者はその準備に追われていましたが、今回は同級艦だけに落ち着いたものです。

発注は平成6年(1994年)12月8日、平成10年(1998年)2月12日に起工され、平成13年(2001年)3月4日に進水、平成15年(2003年)7月12日にアメリカ、カリフォルニア州コロナドの海軍基地において就役しています。

建造はアメリカ、バージニア州のニューポート・ニューズ造船所で行われました。同造船所は、アメリカ国内最大の民間造船所であり、全長333mという大きさに加えて最新の技術を駆使したニミッツ級空母を建造可能な唯一の造船所です。

全体のサイズは満載排水量10万1,400t、全長333m、全幅76.8m、吃水12.5m、速力30ノット+とこれまでのニミッツ級空母と同等です。機関も同じくウェスチングハウスA4W原子炉を2基、蒸気タービンを4基搭載し、4軸推進により26万shp(194MW)を出力します。建造費は45億ドル(約5,400億円/1ドル120円で換算)となっており、実験的要素もある次のジョージ・H・W・ブッシュ(CVN-77)の62億ドル(同約7,500億円)と比べると2,100億円程お安くなっています。

22か国が参加する環太平洋合同演習(RIMPAC)2014に参加するロナルド・レーガン(CVN-76)。2014年7月24日。PHOTO USNAVY
22か国が参加する環太平洋合同演習(RIMPAC)2014に参加するロナルド・レーガン(CVN-76)。2014年7月24日。PHOTO USNAVY

ロナルド・レーガン空母打撃群は、平成23年(2011年)3月11日、日本の観測史上最大のマグニチュード9.0を記録した東日本大震災において発生後の救援活動「トモダチ作戦」の主力として活躍しました。

アメリカ軍による東日本大震災の復興支援活動「トモダチ作戦」に感謝して表敬訪問する北澤俊美防衛大臣。2011年4月4日。PHOTO USNAVY
アメリカ軍による東日本大震災の復興支援活動「トモダチ作戦」に感謝して表敬訪問する北澤俊美防衛大臣。2011年4月4日。PHOTO USNAVY

ニミッツ級空母

ロナルド・レーガン(CVN-76)が9番艦となるアメリカ海軍のニミッツ級は世界最大となる軍艦の級であり、世界で初めて量産された原子力空母の級でもあります。

アメリカは原子力空母を1950年頃から計画しており、初の原子力空母となったエンタープライズ(CVN-65)は昭和32年(1957年)に発注され、昭和36年(1961年)に就役、平成24年(2012年)に退役して現在解体作業が行われています。

2006年6月28日、ハワイの真珠湾に入るロナルド・レーガン(CVN-76)。PHOTO USNAVY
2006年6月28日、ハワイの真珠湾に入るロナルド・レーガン(CVN-76)。PHOTO USNAVY

エンタープライズに次ぐ原子力空母となるニミッツ級のネームシップである第1番艦、ニミッツ(CVN-68)は昭和42年(1967年)に発注され、1972年に進水、昭和50年(1975年)に就役しました。その後平成21年(2009年)にジョージ・H・W・ブッシュ(CVN-77)が就役するまで34年間に渡り10隻が建造され、アメリカ海軍の主力として世界中に睨みをきかせています。ニミッツ級の耐用年数は45年〜50年といわれていますから、第10番艦のジョージ・H・W・ブッシュ(CVN-77)が退役する2060年頃まで第一線で活躍することとなります。

ロナルド・レーガン(CVN-76)とミサイル駆逐艦マッキャンベル(DDG-85)。PHOTO USNAVY
ロナルド・レーガン(CVN-76)とミサイル駆逐艦マッキャンベル(DDG-85)。PHOTO USNAVY

ニミッツ級の各部

船殻(せんこく=機関などを除く、船の骨格と外部を形成する構造主体)の特徴としては、まず第一にその大きさでしょうか。全長333m、全幅76.8m、満載排水量100,020t〜104,600tという巨体です。飛行甲板の面積は4.5エーカー(1.82ヘクタール)にもなります。ちなみに、戦艦大和は全長263m、全幅39m、満載排水量71,600tですから、その大きさがわかります。

空母の力となる艦載機数は最大90機ですが、艦上戦闘機56機、ヘリコプター15機、概ね70機程度を搭載して運用されています。最新の戦闘機を50機以上搭載する攻撃力は、例えばF-16を60機保有するノルウェー空軍に匹敵するものがあります。

太平洋グアム周辺において行われたアメリカ海軍の大規模演習、バリアント・シールド(勇敢な盾)に参加するエイブラハム・リンカーン(CVN-72)、キティ・ホーク(CVN-63)、ロナルド・レーガン(CVN-76)とそれぞれの空母打撃群。上空にはアメリカ空軍のステルス爆撃機、B-2スピリットが飛んでいます。2006年6月18日。PHOTO USNAVY
太平洋グアム周辺において行われたアメリカ海軍の大規模演習、バリアント・シールド(勇敢な盾)に参加するエイブラハム・リンカーン(CVN-72)、キティ・ホーク(CVN-63)、ロナルド・レーガン(CVN-76)とそれぞれの空母打撃群。上空にはアメリカ空軍のステルス爆撃機、B-2スピリットが飛んでいます。2006年6月18日。PHOTO USNAVY

そして、ニミッツ級では、これら艦載機が使用する燃料や武器・弾薬などの搭載量はそれまでの通常動力空母に比べて倍増しており、航空燃料約6,000t、航空機用の武器・弾薬約1,250tを搭載することができます。この搭載量のおかげで最大16日間という作戦行動を可能にしています。

近代空母の代名詞的な飛行甲板であるアングルド・デッキ、電波環境を良くするため後方に配置されたレーダーだらけの艦橋、船首吃水下にある赤い突起(バルバス・バウ)などが印象的です。

アングルド・デッキとは中心線から左舷側に8度以上(本艦の場合は9度4分)開いた着艦用の滑走帯のことです。飛行甲板が昔の空母のように直線のみによって構成されるのではなく、直線の他に斜めに滑走路があります。

アングルド・デッキは空母を変えた画期的な発明です。直線式飛行甲板の場合、前方に飛行機が駐機していると着艦に失敗した場合に接触事故を起こす他、オペレーションを阻害してしまいます。これに対して、アングルド・デッキは斜めに開いた着艦専用甲板を設けることにより、発艦・着艦のオペレーションを劇的に向上させました。

バルバス・バウは、船首吃水下につけられた赤い大きな突起。水をかき分けて進む際に生じる波の抵抗を打ち消すためのものです。

動力機関は、ウェスチングハウスA4W原子炉を2基、蒸気タービン4基を4軸により配し、26万馬力を出力します。エンタープライズでは4基であった原子炉は、技術の進歩により半分の2基となり、より効率的な艦内設計を可能にしています。

蒸気タービンは最高出力付近において最も効率良くなるため、全タービンを稼働して出力を調整するのではなく、4軸によりできるだけ最も効率的な最高出力付近で運用できるようにしています。

A4W原子炉の出力は商用原子炉の数分の1〜十数分の1といわれています。あらゆる過酷な環境下において確実な作動を要求される軍用機器は、民間のものより低性能であることがよくあります。例えば戦闘機のコンピュータは、最新のコンピュータよりもはるかに旧式のものが使われています。原子炉は主機関の他、蒸気カタパルトにも高圧蒸気を供給しています。

蒸気カタパルトは、アングルド・デッキとあわせて空母を劇的に変えた発明。航空機を蒸気の力によって射出する装置です。カタパルトの長さは約94mあり、約2秒で時速265km程度まで加速させることができます。ロナルド・レーガン(CVN-76)にはキティ・ホーク級のMk.13カタパルトの改良型であるMk.13-2が4基設置されています。

飛行機が着艦する際には飛行機の機体につけられたアレスティング・フックを艦のアレスティング・ワイヤーに引っ掛けて停止させます。ロナルド・レーガンにはMk.7-3と呼ばれるアレスティング・ワイヤーが採用されています。

主なレーダー

対空レーダーは、AN/SPS-49A(V)1が搭載されています。AN/SPS-49はアメリカのレイセオン社が開発した2次元対空レーダーです。レイセオン社は世界第一位のミサイルメーカーとして知られています。

探知距離はレーダー反射断面積(RCS=Radar Cross Section)1平米の目標に対して460km、探知高度は46,000m、精度は56mです。1975年に配備されて以来、改良を重ねながら世界各国の軍艦に搭載されている実績ある対空レーダーです。

ロナルド・レーガン(CVN-76)に搭載されているA(V)1型は1990年代に登場した改良型。目標毎の速度測定、クラッター抑制性能が向上するなどしています。クラッターとは、レーダースリーン上の乱れ(擾乱)のことです。

次世代のジェラルド・R・フォード級ではイージス艦に搭載されている多機能レーダーの最新型であるAN/APY-3が搭載される予定です。

射撃指揮レーダーはSPQ-9B。こちらも1970年代に就役した定評あるパルス・ドップラー・レーダーであり、水上目標と低高度の空中目標を対象とした捜索・追尾レーダー。探知距離は137km、探知高度は610mです。ロナルド・レーガン(CVN-76)に搭載されたB型はそれまでの2次元から3次元レーダーとなりました。3次元レーダーはビームを送受信することにより、方位と仰角を同時に走査することができます。

多くの艦上機を運用するニミッツ級は多数の航空管制レーダーを搭載しています。遠距離ではAN/URN-25戦術航法装置により誘導し、次いで92.6km〜55.56kmの探知距離を持つAN/APN-43航空管制捜索レーダーが航空機を補足します。さらに近づいてくるとAN/SPN-42やAN/SPN-46といった空母進入用レーダーが使われます。

空母への着艦は制御された墜落といわれる程難しく、海軍の飛行機乗り達は昔からこの技量を誇りにしていました。着艦は低速に強いレシプロ機でも難しかったわけですが、1950年代、戦闘機の動力がレシプロからジェットに変わると、レシプロ戦闘機より低速に弱かったジェット機の着艦はより難しさを増しました。

その後、空母が大型化すると同時に、先述のアングルド・デッキの発明、ジェット戦闘機の進歩、そして空母を劇的に進化させた光学着艦装置により離着艦の運用はスムースとなっていきます。

光学着艦装置は、縦横にライトを並べ、着艦の最終段階にある操縦士が進入角度や方向を判断することができる装置です。ニミッツ級空母にはより改良された改良型フランネルレンズ光学着艦装置が搭載されています。

主要兵装

いかに強力な艦上戦闘機群を持っていても、ニミッツ級空母はロナルド・レーガン(CVN-76)の約5,400億円(45億ドルを1ドル120円で換算)やジョージ・H・W・ブッシュの約7,500億円(65億ドルを1ドル120円で換算)のように大変高額であり、存在自体が政治力をも帯びており、撃沈されるということは現状ではあってはならないことです。

そのため、ニミッツ級空母が単独で行動することはなく、空母打撃群(CSG=Carrier Strike Group)という単位で行動し、艦上戦闘機を除いた兵装は控えめなものです。

構成は時代や状況により異なりますが、現在では原子力空母1隻、タイコンデロガ級ミサイル巡洋艦1隻、アーレイ・バーク級ミサイル駆逐艦×2、ロサンゼルス級攻撃型原子力潜水艦1隻、補給艦1隻、総乗員は約7,000人というのが標準的な空母打撃群となっています。

ニミッツ級の主な兵装はMk.29 ESSMランチャー×2、RIM-116×2、ファランクスCIWS×4(9〜10番艦を除く)となっています。

Mk.29 ESSMランチャー
Mk.29 ESSMランチャーはRIM162 ESSM(Evolved Sea Sparrow Missile)艦対空ミサイルを発射します。速度はマッハ2.5〜3、射程距離は30〜50km、空母に搭載された射撃指揮装置(イルミネーター)からのレーダー波による誘導と、ミサイル自身のセンサによって自律誘導する慣性航法装置を併用したセミ・アクティブ・レーダー・ホーミング
(SARH=Semi Active Radar Homing)を採用しています。

ミサイル自身の能力のみに頼らないこの方式は、ミサイル開発の負担が軽減される反面、1目標に対してレーダーが1つ必要となり、飽和攻撃に対する同時多目標迎撃に弱点があったものの、近年では時間分割情報処理によりこの問題を解決しています。

RIM-116ローリング・エアフレーム・ミサイル
上記のRIM-162 ESSMが30〜50kmの対空迎撃を担当するのに対して、400m〜1.5kmという近距離を担当するのがRIM-116ローリング・エアフレーム・ミサイルです。こちらは艦のレーダーを活用せず、自身のレーダーのみによって対艦ミサイルを迎撃します。4枚の後翼によってゆるやかに回転しながら飛翔することから名前がつきました。艦のレーダーに依存せず、タ弾数近接迎撃が可能な21連裝の発射システムを2基搭載しています。

ロナルド・レーガン(CVN-76)の艦載機

アメリカ海軍の空母に艦載される航空機は、空母航空団(CVW=Carrier Air Wing)と名付けら編制されています。ロナルド・レーガン(CVN-76)に艦載されるのは第2空母航空団です。内訳は以下のとおり。

ロナルド・レーガン(CVN-76)の昇降機に載せられるアメリカ海兵隊第323戦闘攻撃飛行隊(VMFA-323)のF/A-18Cホーネット。かつて空母の昇降機は艦の中ほどにありましたが、このように外側にすることにより、より大型の戦闘機を運用できるようになりました。2011年3月2日。PHOTO USNAVY
ロナルド・レーガン(CVN-76)の昇降機に載せられるアメリカ海兵隊第323戦闘攻撃飛行隊(VMFA-323)のF/A-18Cホーネット。かつて空母の昇降機は艦の中ほどにありましたが、このように外側にすることにより、より大型の戦闘機を運用できるようになりました。2011年3月2日。PHOTO USNAVY

ロナルド・レーガン(CVN-76)艦上で発艦準備中のF/A-18E。PHOTO USNAVY
ロナルド・レーガン(CVN-76)艦上で発艦準備中のF/A-18E。PHOTO USNAVY

第2戦闘攻撃飛行隊(VFA-2)“バウンティ・ハンターズ”
FIGHTER ATTACK SQUADRON 2 “BOUNTY HUNTERS”
使用機:F/A-18F ブロック2

第137戦闘攻撃飛行隊(VFA-137)“ケストレルズ”
FIGHTER ATTACK SQUADRON 137 “KESTLELS”
使用機:F/A-18E

第86戦闘攻撃飛行隊(VFA-86)“サイドワインダーズ”
FIGHTER ATTACK SQUADRON 86 “SIDEWINDERS”
使用機:F/A-18E ブロック2

第34戦闘攻撃飛行隊(VFA-34)“ブルー・ブラスターズ”
FIGHTER ATTACK SQUADRON 34 “BLUE BLASTERS”
使用機:F/A-18C

第136電子攻撃飛行隊(VAQ-136)“ガントレッツ”
ELECTRONIC ATTACK SQUADRON 136 “GUNTLETS”
使用機:EA-18G

第113早期警戒飛行隊(VAW-113)“ブラック・イーグルズ”
CARRIER AIRBONE EALRY WARNING SQUADRON 113 “BLACK EAGLES”
使用機:E2-C 2K

第4ヘリコプター海上作戦飛行隊(HSC-4)“ブラック・ナイツ”
HELICOPTER SEA COMBAT SQUADRON 4 “BLACK KNIGHTS”
使用機:MH-60S

第78ヘリコプター海洋攻撃飛行隊(HSM-78)“ブルー・ホークス”
HELICOPTER MARITIME STRIKE SQUADRON 78 “BLUE HAWKS”
使用機:MH-60R

第30艦隊後方支援飛行隊・分遣隊(VRC-30 Det)“プロバイダーズ”
FLEET LOGISTICS SUPPORT SQUADRON 30 “PROVIDERS”
使用機:C-2A

運用者アメリカ海軍
主要なバリエーション
生産数
スペック型式
全 幅76.8m
全 長333m
全 高
翼面積
自 重
総重量/最大離陸重量
発動機ウェスティングハウスA4W原子炉×2
蒸気タービン×4(260,000shp)
4軸
最大速度
実用上昇限度
戦闘行動半径
航続距離
乗 員約6,000名
初飛行
就 役2003年7月12日
退 役-
兵 装

ジョージ・H・W・ブッシュ

George H.W.Bush(CVN-77)
ジョージ・H・W・ブッシュGeorge H.W.Bush(CVN-77)

世界最強、アメリカ海軍最新空母

ニミッツ級空母基本を踏襲しつつ、次世代を見据えた新機軸を導入

※文頭写真:アメリカ海軍ニミッツ級航空母艦、第10番艦、ジョージ・H・W・ブッシュ(CVN-77)。PHOTO USNAVY

ジョージ・H・W・ブッシュ(CVN-77)は、アメリカ海軍ニミッツ級航空母艦の第10番艦。2009年に就役したアメリカ海軍最新の航空母艦です。次世代の空母としては2016年に就役を予定して建造中の次世代新型空母、ジェラルド・R・フォード級が控えています。

キティホークに代わって横須賀に配備されるといわれたこともありましたが、母港はアメリカ、バージニア州ノーフォークとなりました。

2011年1月29日、大西洋において訓練中のジョージ・H・W・ブッシュ(CVN-77)。PHOTO USNAVY
2011年1月29日、大西洋において訓練中のジョージ・H・W・ブッシュ(CVN-77)。PHOTO USNAVY

2013年7月10日、無人機XB-47がジョージ・H・W・ブッシュ(CVN-77)への初着艦に成功したことは、近年進化を続ける無人機開発において記念碑的な出来事となりました。

ジョージ・H・W・ブッシュ(CVN-77)艦上において、タッチアンドゴーを行う、無人艦上戦闘機XB-47。無人機発の空母への離着艦となりました。2013年5月17日。最も高価かつ脆弱な部品である人間を載せない無人機は画期的な技術です。PHOTO USNAVY
ジョージ・H・W・ブッシュ(CVN-77)艦上において、タッチアンドゴーを行う、無人艦上戦闘機XB-47。無人機発の空母への離着艦となりました。2013年5月17日。最も高価かつ脆弱な部品である人間を載せない無人機は画期的な技術です。PHOTO USNAVY

発注は2001年1月26日、イラクの自由作戦が始まって半年後の2003年9月6日に起工され、2006年10月9日に進水、2009年1月10日にアメリカ、バージニア州ノーフォークの海軍基地において就役しています。

建造はアメリカ、バージニア州のニューポート・ニューズ造船所で行われました。同造船所は、アメリカ国内最大の民間造船所であり、全長333mという大きさに加えて最新の技術を駆使したニミッツ級空母を建造可能な唯一の造船所です。

全体のサイズは満載排水量10万2,000t、全長333m、全幅41m、吃水12.5m、速力30ノット+とこれまでのニミッツ級空母と同等です。機関も同じくウェスチングハウスA4W原子炉を2基、蒸気タービンを4基搭載し、4軸推進により26万shp(194MW)を出力します。建造費は62億ドル(約7,500億円/1ドル120円で換算)。

2006年3月、ニューポート・ニューズ造船所で建造中のジョージ・H・W・ブッシュ(CVN-77)。7か月後の10月9日に進水します。PHOTO USNAVY
2006年3月、ニューポート・ニューズ造船所で建造中のジョージ・H・W・ブッシュ(CVN-77)。7か月後の10月9日に進水します。PHOTO USNAVY

ノースロップ・グラマン社のニューポート・ニューズ造船所で建造中のジョージ・H・W・ブッシュ(CVN-77)。スーパーリフトが700トンもの艦橋を釣り上げています。PHOTO USNAVY
ノースロップ・グラマン社のニューポート・ニューズ造船所で建造中のジョージ・H・W・ブッシュ(CVN-77)。スーパーリフトが700トンもの艦橋を釣り上げています。PHOTO USNAVY

ニミッツ級空母

ロナルド・レーガン(CVN-76)が9番艦となるアメリカ海軍のニミッツ級は世界最大となる軍艦の級であり、世界で初めて量産された原子力空母の級でもあります。

アメリカは原子力空母を1950年頃から計画しており、初の原子力空母となったエンタープライズ(CVN-65)は1957年に発注され、1961年に就役、2012年に退役して現在解体作業が行われています。

飛行甲板において消防訓練中のジョージ・H・W・ブッシュ(CVN-77)。PHOTO USNAVY
飛行甲板において消防訓練中のジョージ・H・W・ブッシュ(CVN-77)。PHOTO USNAVY

エンタープライズに次ぐ原子力空母となるニミッツ級のネームシップである第1番艦、ニミッツ(CVN-68)は1967年に発注され、1972年に進水、1975年に就役しました。その後2009年にジョージ・H・W・ブッシュ(CVN-77)が就役するまで34年間に渡り10隻が建造され、アメリカ海軍の主力として世界中に睨みをきかせています。ニミッツ級の耐用年数は45年〜50年といわれていますから、第10番艦のジョージ・H・W・ブッシュ(CVN-77)が退役する2060年頃まで第一線で活躍することとなります。

ニミッツ級の各部

船殻(せんこく=機関などを除く、船の骨格と外部を形成する構造主体)の特徴としては、まず第一にその大きさでしょうか。全長333m、全幅76.8m、満載排水量100,020t〜104,600tという巨体です。飛行甲板の面積は4.5エーカー(1.82ヘクタール)にもなります。ちなみに、戦艦大和は全長263m、全幅39m、満載排水量71,600tですから、その大きさがわかります。

空母の力となる艦載機数は最大90機ですが、艦上戦闘機56機、ヘリコプター15機、概ね70機程度を搭載して運用されています。最新の戦闘機を50機以上搭載する攻撃力は、例えばF-16を60機保有するノルウェー空軍に匹敵するものがあります。

ジョージ・H・W・ブッシュ(CVN-77)艦上の第31戦闘攻撃飛行隊(VFA-31)、“トムキャッターズ”。使用機はF/A-18E。PHOTO USNAVY
ジョージ・H・W・ブッシュ(CVN-77)艦上の第31戦闘攻撃飛行隊(VFA-31)、“トムキャッターズ”。使用機はF/A-18E。PHOTO USNAVY

そして、ニミッツ級では、これら艦載機が使用する燃料や武器・弾薬などの搭載量はそれまでの通常動力空母に比べて倍増しており、航空燃料約6,000t、航空機用の武器・弾薬約1,250tを搭載することができます。この搭載量のおかげで最大16日間という作戦行動を可能にしています。

85機〜90機が搭載される航空機のオペレーションにおいても、離着艦・回収装置の自動化が図られ、より少ない人数によってオペレーションできるよう効率化が進められています。計画中には現在のスチームカタパルトに変えて、リニアモーターを使用したより新しい形式の電磁式カタパルトが採用されるといわれていましたが、結局現在主流のスチームカタパルトとなりました。

ジョージ・H・W・ブッシュ(CVN-77)において離艦しようとする第31戦闘攻撃飛行隊(VFA-31)、“トムキャッターズ”。PHOTO USNAVY
ジョージ・H・W・ブッシュ(CVN-77)において離艦しようとする第31戦闘攻撃飛行隊(VFA-31)、“トムキャッターズ”。PHOTO USNAVY

蒸気カタパルトの蒸気測定値を監視する船員。PHOTO USNAVY
蒸気カタパルトの蒸気測定値を監視する船員。PHOTO USNAVY

近代空母の代名詞的な飛行甲板であるアングルド・デッキ、電波環境を良くするため後方に配置されたレーダーだらけの艦橋、船首吃水下にある赤い突起(バルバス・バウ)などが印象的です。

アングルド・デッキとは中心線から左舷側に8度以上(本艦の場合は9度4分)開いた着艦用の滑走帯のことです。飛行甲板が昔の空母のように直線のみによって構成されるのではなく、直線の他に斜めに滑走路があります。

アングルド・デッキは空母を変えた画期的な発明です。直線式飛行甲板の場合、前方に飛行機が駐機していると着艦に失敗した場合に接触事故を起こす他、オペレーションを阻害してしまいます。これに対して、アングルド・デッキは斜めに開いた着艦専用甲板を設けることにより、発艦・着艦のオペレーションを劇的に向上させました。

バルバス・バウは、船首吃水下につけられた赤い大きな突起。水をかき分けて進む際に生じる波の抵抗を打ち消すためのものです。

動力機関は、ウェスチングハウスA4W原子炉を2基、蒸気タービン4基を4軸により配し、26万馬力を出力します。エンタープライズでは4基であった原子炉は、技術の進歩により半分の2基となり、より効率的な艦内設計を可能にしています。

蒸気タービンは最高出力付近において最も効率良くなるため、全タービンを稼働して出力を調整するのではなく、4軸によりできるだけ最も効率的な最高出力付近で運用できるようにしています。

A4W原子炉の出力は商用原子炉の数分の1〜十数分の1といわれています。あらゆる過酷な環境下において確実な作動を要求される軍用機器は、民間のものより低性能であることがよくあります。例えば戦闘機のコンピュータは、最新のコンピュータよりもはるかに旧式のものが使われています。原子炉は主機関の他、蒸気カタパルトにも高圧蒸気を供給しています。

ジョージ・H・W・ブッシュ(CVN-77)にはそれまでの蒸気カタパルトにかわり、電磁式カタパルトが採用される予定でしたが、蒸気カタパルトとなりました。これは、高度な技術を要する電磁式カタパルトの開発が間に合わなかったといわれており、次世代のジェラルド・R・フォード級に搭載されることになっています。

蒸気カタパルトは、アングルド・デッキとあわせて空母を劇的に変えた発明。航空機を蒸気の力によって射出する装置です。カタパルトの長さは約94mあり、約2秒で時速265km程度まで加速させることができます。ロナルド・レーガン(CVN-76)にはキティ・ホーク級のMk.13カタパルトの改良型であるMk.13-2が4基設置されています。

飛行機が着艦する際には飛行機の機体につけられたアレスティング・フックを艦のアレスティング・ワイヤーに引っ掛けて停止させます。ロナルド・レーガンにはMk.7-3と呼ばれるアレスティング・ワイヤーが採用されています。

ジョージ・H・W・ブッシュ(CVN-77)に着艦する第213戦闘攻撃飛行隊(VFA-213)“ブラック・ライオンズ”のF/A-18F。PHOTO USNAVY
ジョージ・H・W・ブッシュ(CVN-77)に着艦する第213戦闘攻撃飛行隊(VFA-213)“ブラック・ライオンズ”のF/A-18F。PHOTO USNAVY

環境対策のアップグレードは、真空機器(VCHT)と海洋消毒装置です。二つの技術を融合したシステムを搭載した空母はジョージ・H・W・ブッシュ(CVN-77)が世界初となりました。ちなみに、艦内には423もの便器が設置されています。

現代の空母は巨大な電子機器の塊といってもいい程、複雑な電子設備を搭載しています。ジョージ・H・W・ブッシュ(CVN-77)では、光ファイバーを活用して軽量化・省力化が進められています。また、電子機器の搬入・整備などを容易にするため船室の一部はモジュール化され、柔軟な対応を可能にしています。

主なレーダー

対空レーダーは、AN/SPS-49A(V)1が搭載されています。AN/SPS-49はアメリカのレイセオン社が開発した2次元対空レーダーです。レイセオン社は世界第一位のミサイルメーカーとして知られています。

探知距離はレーダー反射断面積(RCS=Radar Cross Section)1平米の目標に対して460km、探知高度は46,000m、精度は56mです。1975年に配備されて以来、改良を重ねながら世界各国の軍艦に搭載されている実績ある対空レーダーです。

ジョージ・H・W・ブッシュ(CVN-77)に搭載されているA(V)1型は1990年代に登場した改良型。目標毎の速度測定、クラッター抑制性能が向上するなどしています。クラッターとは、レーダースリーン上の乱れ(擾乱)のことです。

次世代のジェラルド・R・フォード級ではイージス艦に搭載されている多機能レーダーの最新型であるAN/APY-3が搭載される予定です。

射撃指揮レーダーはSPQ-9B。こちらも1970年代に就役した定評あるパルス・ドップラー・レーダーであり、水上目標と低高度の空中目標を対象とした捜索・追尾レーダー。探知距離は137km、探知高度は610mです。ジョージ・H・W・ブッシュ(CVN-77)に搭載されたB型はそれまでの2次元から3次元レーダーとなりました。3次元レーダーはビームを送受信することにより、方位と仰角を同時に走査することができます。

多くの艦上機を運用するニミッツ級は多数の航空管制レーダーを搭載しています。遠距離ではAN/URN-25戦術航法装置により誘導し、次いで92.6km〜55.56kmの探知距離を持つAN/APN-43航空管制捜索レーダーが航空機を補足します。さらに近づいてくるとAN/SPN-46空母進入用レーダーが使われます。条件が揃えば自動着艦も可能な程に進化していますが、パイロットの技量を維持するため普段は手動にて行っているといわれています。

着艦の最終段階において使用される最終段階光学着艦装置は、縦横にライトを並べ、着艦の最終段階にある操縦士が進入角度や方向を判断することができる装置です。ニミッツ級空母にはより改良された改良型フランネルレンズ光学着艦装置が搭載されています。

兵装

いかに強力な艦上戦闘機群を持っていても、1隻約7,500億円(62億ドルを1ドル120円で換算)の原子力空母が単独で行動することはなく、アメリカ海軍空母は空母打撃群(CSG=Carrier Strike Group)という単位で行動し、艦上戦闘機を除いた兵装は控えめなものです。

ちなみに、構成は時代や状況により異なりますが、現在では原子力空母1隻、タイコンデロガ級ミサイル巡洋艦1隻、アーレイ・バーク級ミサイル駆逐艦×2、ロサンゼルス級攻撃型原子力潜水艦1隻、補給艦1隻、総乗員は約7,000人というのが標準的な空母打撃群となっています。

主な兵装はMk.29 ESSMランチャー×2、RIM-116×2、ファランクスCIWS×4となっています。

Mk.29 ESSMランチャー
Mk.29 ESSMランチャーはRIM162 ESSM(Evolved Sea Sparrow Missile)艦対空ミサイルを発射します。速度はマッハ2.5〜3、射程距離は30〜50km、空母に搭載された射撃指揮装置(イルミネーター)からのレーダー波による誘導と、ミサイル自身のセンサによって自律誘導する慣性航法装置を併用したセミ・アクティブ・レーダー・ホーミング
(SARH=Semi Active Radar Homing)を採用しています。

ミサイル自身の能力のみに頼らないこの方式は、ミサイル開発の負担が軽減される反面、1目標に対してレーダーが1つ必要となり、飽和攻撃に対する同時多目標迎撃に弱点があったものの、近年では時間分割情報処理によりこの問題を解決しています。

RIM-116ローリング・エアフレーム・ミサイル
上記のRIM-162 ESSMが30〜50kmの対空迎撃を担当するのに対して、400m〜1.5kmという近距離を担当するのがRIM-116ローリング・エアフレーム・ミサイルです。こちらは艦のレーダーを活用せず、自身のレーダーのみによって対艦ミサイルを迎撃します。4枚の後翼によってゆるやかに回転しながら飛翔することから名前がつきました。艦のレーダーに依存せず、タ弾数近接迎撃が可能な21連裝の発射システムを2基搭載しています。

艦載機

アメリカ海軍の空母に艦載される航空機は、空母航空団(CVW=Carrier Air Wing)と名付けら編制されています。ジョージ・H・W・ブッシュ(CVN-77)に艦載されるのは第8空母航空団です。内訳は以下のとおりです。

アメリカ海軍ニミッツ級航空母艦、第10番艦、ジョージ・H・W・ブッシュ(CVN-77)。PHOTO USNAVY
アメリカ海軍ニミッツ級航空母艦、第10番艦、ジョージ・H・W・ブッシュ(CVN-77)。PHOTO USNAVY

第31戦闘攻撃飛行隊(VFA-31)“トムキャッターズ”
FIGHTER ATTACK SQUADRON 31 “TOMCATTERS”
使用機:F/A-18E ブロック2

第213戦闘攻撃飛行隊(VFA-213)“ブラック・ライオンズ”
FIGHTER ATTACK SQUADRON 213 “BLACK LIONS”
使用機:F/A-18F ブロック2

第15戦闘攻撃飛行隊(VFA-15)“バリオンズ”
FIGHTER ATTACK SQUADRON 15 “VALIONS”
使用機:F/A-18C

第87戦闘攻撃飛行隊(VFA-87)“ゴールデン・ウォーリアーズ”
FIGHTER ATTACK SQUADRON 87 “GOLDEN WARRIORS”
使用機:F/A-18C

第134電子攻撃飛行隊(VAQ-134)“ガルーダズ”
ELECTRONIC ATTACK SQUADRON 134 “GAURUDAS”
使用機:EA-6B

第124早期警戒飛行隊(VAQ-124)“ベア・エーセス”
CARRIER AIRBONE EALRY WARNING SQUADRON 124 “BEAR ACES”
使用機:E2-C

第9ヘリコプター海上作戦飛行隊(HSC-9)“トライデンツ”
HELICOPTER SEA COMBAT SQUADRON 9 “TRIDENTS”
使用機:MH-60S

第70ヘリコプター海洋攻撃飛行隊(HSM-70)“スパルタンズ”
HELICOPTER MARITIME STRIKE SQUADRON 70 “SPARTANS”
使用機:MH-60R

第40艦隊後方支援飛行隊(VRC-40)“ロウハイズ”
FLEET LOGISTICS SUPPORT SQUADRON 40 “RAWHIDES”
使用機:C-2A

運用者アメリカ海軍
主要なバリエーション
生産数
スペック型式
全 幅76.8m
全 長333m
全 高
翼面積
自 重
総重量/最大離陸重量
発動機ウェスティングハウスA4W原子炉×2
蒸気タービン×4(260,000shp)
4軸
最大速度
実用上昇限度
戦闘行動半径
航続距離
乗 員
初飛行
就 役2009年1月10日
退 役-
兵 装