「AIM-26空対空核ミサイル」タグアーカイブ

米国が1961年〜1972年まで運用した、唯一の核弾頭搭載型空対空ミサイル。

コンベアF-102デルタダガー

Convair F-102 Delta Dagger
コンベアF-102デルタダガーConvair F-102 Delta Dagger

初の実用デルタ翼機

エリアルールを採用して音速を突破

※文頭写真:初の実用デルタ翼戦闘機となったF-102デルタダガー。PHOTO USAF

コンベアF-102デルタダガー(1953-1976)はアメリカのコンベア社が開発したアメリカ空軍の戦闘機。アメリカ空軍としては初めて実用的なデルタ翼を採用した機体です。エリアルールという設計手法を初めて採用した機体です。またこの時期、アメリカ空軍が続けて開発した100番台の戦闘機、センチュリーシリーズの一つでもあります。

アメリカ空軍は本機に先立ち1948年に世界初のデルタ翼実証試験機XF-92Aを初飛行させていますので、初のデルタ翼機はXF-92A、初の実用デルタ翼機は本機ということになります。ちなみにどちらもコンベア社によるものです。

デルタ翼とは三角翼ともいわれ、ギリシャ語のΔ(デルタ)に似ていることからデルタ翼といわれ、ドイツの航空先進技術からうまれました。高亜音速から超音速という高速飛行に向いており、加速性に優れ高速域において高い運動性を発揮します。ダブルデルタ、クリップドデルタなどの派生系があり、現代最新鋭の戦闘機にも発展形が使われています。

左が並列複座席を採用した最初の試作機YF-102。右が量産型に繋がったYF-102A。PHOTO USAF
左が並列複座席を採用した最初の試作機YF-102。右が量産型に繋がったYF-102A。PHOTO USAF

エリアルールは航空機の設計手法の一つ。遷音速(マッハ1付近)で飛行する機体の断面積変化を小さく抑えることで効力差を減少させ高速性・安定性を増そうというものです。1950年代初めにNACAのリチャード・ウィットカムが発見しました。具体的には主翼部分における断面積の増大を防ぐために胴体をくびれさせることです。

アメリカのピッツバーグ国際空港に展示するために移動されるF-102。2010年。PHOTO USAF
アメリカのピッツバーグ国際空港に展示するために移動されるF-102。2010年。PHOTO USAF

F-102の開発計画が始まったのは1949年です。第2次世界大戦終の東西覇権争いが日々激化し続けていた頃です。アメリカ空軍はソ連の長距離爆撃機の脅威から本土を守る新型迎撃戦闘機の開発を進め、1954年の就役を目指して「1954インターセプター」と名づけていました。

開発を発注されたコンベア社は、世界初のデルタ翼実証試験機として同社が先に開発したXF-92Aを基本とする新型機を構想しました。射撃管制装置(FCS)の開発遅延、搭載ミサイルの大型化などを乗り越えて1953年10月24日に初飛行を行い、飛行試験が続けられたが、結果は芳しくなく最高速度はマッハ1に届きませんでした。

初飛行に先立つ1953年初頭、NACAはYF-102について抵抗過大により音速突破は難しく、これを解決するには発見されたばかりの「エリアルール」を採用すれば音速突破も可能であると勧告していました。

アメリカのピッツバーグ国際空港に展示するために移動されるF-102。2010年。PHOTO USAF
アメリカのピッツバーグ国際空港に展示するために移動されるF-102。2010年。PHOTO USAF

製作の進行上エリアルールを採用できず、散々な試験結果を残してしまったコンベア社は、改めてエリアルールを採用し、エンジンをJ57-P-23に換装するなどした試験機YF-102Aを開発します。

YF-102のコクピット。PHOTO USAF
YF-102のコクピット。PHOTO USAF

エリアルールを採用した新型試験機YF-102Aは1954年12月20日に初飛行し、水平飛行においてマッハ1.2、高度は16,150mを記録しました。

制式採用となったF-102デルタダガーは1956年5月から配備が始まり、諸々の改修を受けながら生産され、アメリカ空軍では1970年まで運用され、その後は空軍州兵において1976年まで運用されました。アメリカ以外ではタイ王国、ギリシャ空軍、トルコ空軍などで使用されました。

運用者アメリカ空軍
カナダ空軍
トルコ空軍
主要なバリエーションYF-102 試作機。10機製造
YF-102A 試作機改良型。4機製造
F-102A 量産型。879機製造
TF-102A 複座の練習機。111機製造
F-102B 後にF-106Aデルタダート
QF-102A 複座有人標的機
PQM-102A 無人標的機
PQM-102B 無人標的機
生産数1,000
スペック型式-
全 幅11.61m
全 長20.84m
全 高6.46m
翼面積61.52㎡
自 重8,777kg
総重量/最大離陸重量14,300kg
発動機J57-P-25(5,307kg/AB 7,802kg)×1
最大速度1,304km/h
実用上昇限度16,300m
戦闘行動半径850km
航続距離2,175km
乗 員1名
初飛行1953年10月24日
就 役1956年4月
退 役1976年
兵 装