C型は航空母艦において運用する艦載機型です。F-35は英国や日本、イタリア、オランダなどアメリカと同盟関係にある国々が導入しますが、艦載機型のC型は米海軍と海兵隊のみが導入します。 アメリカ海軍の主力戦闘機としては久しぶりの単発機。エンジンの信頼性が向上してきたのでしょう。PHOTO Lockeed Martin
陸上の飛行場から離発着するA型と違い、C型は狭い空母の甲板に離発着するため低速時の安定性が求められることから、主翼、垂直・水平尾翼がそれぞれ大型化しています。また、離着陸時の衝撃に耐えるため、機体構造や降着装置の強化が行われ、主翼も折りたためるようになっています。戦闘機は主翼に燃料を搭載しているため、主翼を大型化したC型は、燃料搭載量が増え航続距離が延びています。 F-35Cの試験機。離着艦時の揚力を得るため主翼が大きくなっているのが最も特徴的です。PHOTO Lockeed Martin
空母を中心とし他の追随を許さない断トツの洋上戦力を持つアメリカ海軍にまたひとつ、ステルス戦闘機という武器が加わります。PHOTO Lockeed Martin ステルス性維持のため兵装は胴体内に格納します。そのためすっきりとした胴体下面。ただ、主翼下にハードポイントをつけるテストも行われています。それほどステルス性が問われない任務に対するものでしょう。PHOTO Lockeed Martin
F-35は昔のように脚の間に太い操縦桿があり、加える力によって運動が加減されるのではなく、電気信号を伝達するステッィクにより操縦します。大雑把にいえばゲームのジョイスティックと同じ様なものです。さらに、戦闘機乗りにとっても難しい空母への着艦を、ある程度自動で行われるオートスラスト機能(自動推力制御装置)が装備されています。 試験中のF-35C(艦載機型)。PHOTO Lockeed Martin
多用途性と信頼性の高さから現在、アメリカ海軍空母の艦上を占拠することとなったF/A-18(前)とF-35(後)。PHOTO Lockeed Martin
ボーイング(マクドネル・ダグラス)F/A-18E/Fスーパーホーネットは、アメリカ海軍の艦上戦闘機です。1978年に初飛行し、1983年より部隊配備されたF/A-18A〜Dホーネットの発展型として1988年より開発されました。Eは単座型、Fは複座型です。 F/A-18Fスーパーホーネット。PHOTO Boeing
空対空、空対地、空中給油と多目的に活躍し、低い故障発生率、優れた整備の容易性をも兼ね備えた高性能機です。F-35配備前の現在、アメリカ海軍空母の艦上はF/A-18ホーネット/スーパーホーネットが占拠しているといった様相です。 F/A-18スパーホーネットの下面。高い多用途性を担保する優れた兵装搭載量を誇ります。PHOTO Boeing
1992年、アメリカ海軍はホーネット2000をF/A-18E/Fスーパーホーネットとして採用、1995年には初飛行を行います。F/A-18ホーネットに比べて大きさ・重量・翼面積・燃料搭載量は25%〜30%増加し、エンジン推力は7,300kgから9,980kgに強化、飛行性能は向上し、より多くの兵装を搭載することが可能となりました。 F/A-18スーパーホーネットの電子戦機型、EA-18Gグロウラー。PHOTO Boeing
統合打撃戦闘機とは、一種類の基本設計からいくつかの戦闘機を造り、基本設計を共有することで開発・生産を効率化しコストを削減させようとするものです。アメリカ空軍(F-16)、海軍・海兵隊のF/A-18及び同海兵隊とイギリス空・海軍のハリアーⅡなどが統合の対象となり、開発が進められロッキード・マーチンF-35ライトニングⅡとして結実、現在試験運用中です。 通常離着陸型のX-32A。ステルス性維持のため兵装は機内に格納されます。PHOTO Boeing
ただし、F-2開発時に米国が日本に強要した「日本の技術を無償で米国に供与すること」という条件により、最先端繊維素材による一体成型技術、AESAレーダー技術など大変重要な技術が要するに脅迫的に盗まれているわけです。そして、それらがF-35やF-22に活かされていますから、大きな功労者といってもいいのではないでしょうか。これは、以前、別の仕事において、F-2関連の技術者に取材した際に確認しましたから間違いないと思われます。技術者は自分の技術が最先端戦闘機に使われていたことに誇りを持っていたようでした。それはそれで素晴らしいことですが、やはり、日本の技術が脅迫的に奪われたことに変わりないのではないでしょうか。 短距離離陸垂直離着陸型のX-32B。PHOTO Boeing
統合打撃戦闘機(JSF)計画は1995年に始まり、ボイーン社とロッキード・マーチン社に概念実証機の開発が発注されました。ボーイング社はX-32をロッキード・マーチン社はX-35を造り比較試験が行われました。X-32は通常離着陸型(CTOL)、短距離離陸垂直離着陸型(STOVL)の2種類が製造されました。 垂直離着陸試験中のX-32B。胴体中央下面に大きなエンジンノズルがみえています。写真ではみえませんが、前後にそれぞれ2つずつ傾き調整用の小さなエンジンノズルがついています。PHOTO Boeing F/A-18スーパーホーネットと並ぶX-32。PHOTO Boeing
X-32の主な特長は、F-35と同じように一つの基本設計から通常離着陸型、艦載型、短距離離陸垂直離着陸型の3つの機体を造る統合性がまず第一。そしていまや通常のニュースでも使われるようになったステルス戦闘機であることです。ステルスとは、レーダーに探知され難くする技術です。 X-32B STOVL型のコクピット。PHOTO Boeing
F-14トムキャット最大の特長である可変翼(VG翼)は、これまでのものとは異なり、飛行データに基いて自動的に最適な後退角にセットされるものでした。これにより低速の戦闘や空母への着艦からマッハ2にもなる高速飛行や急旋回においても常に高い機動性を確保していました。 湾岸戦争中のオペレーションデザートストーム作戦において戦闘軽快警備するF-14A。戦時らしく、胴体下に中距離空対空ミサイルAIM-7スパローを4発、主翼付け根あたり(グラブ)に短距離空対空ミサイルAIM-9サイドワインダーを4発搭載しています。1991年(平成3年)2月26日。PHOTO DoD
こうした最新技術を詰め込んだ最強の艦隊防空戦闘機、F-14は東西冷戦の空を制し続けましたが、冷戦が終わり軍事費削減の流れが起こると、高価な維持費が問題となり、2006年最後の部隊から退役、艦上から姿を消しました。 横須賀を母港とするアメリカ海軍原子力空母ジョージ・ワシントン上空を飛ぶF-14B。1992年(平成4年)正月。PHOTO DoD
防空能力においてはすでに運用されていた高性能機F-8クルーセイダーとF-4は同等でしたが、F-4は加えて対地攻撃にも秀でていました。F-8の離陸最大重量は13,000kgですが、F-4のそれは26,760kgもあります。それだけ多くの兵装を搭載することができるわけですから、艦上戦闘機において特に要求される多用途性が高まります。 アメリカのスミソニアン博物館に展示されるアメリカ海兵隊のF-PHOTO SMITHSONIAN NATIONAL AIR AND SPACE MUSEUM
速度記録、上昇記録など各種の世界記録を次々に更新したF-4の飛行性能は文句なく世界一であり、イギリス空軍が1964年に採用したのを始め、日本、スペイン、トルコ、エジプト、ギリシャなど各国に採用され、5,000機を超えるベストセラーとなりました。 アメリカ空軍のF-15と飛ぶ航空自衛隊のF-4EJ。1983年(昭和58年)夏の日米合同演習コープノース中の写真。PHOTO DoD