「垂直発射システム(VLS)」タグアーカイブ

ふゆづき(DD-118)

ふゆづき(DD-118)

「あきづき型」護衛艦の4番艦

国産純度の高い注目すべき艦艇

※文頭写真:海上自衛隊
※「ふゆづき」(DD-118)についての性能詳細は「あきづき型」記事をご覧ください。

海洋国家日本の安全保障にとって注目すべき「あきづき型」の4番艦として建造されました。平成21年度(2009)計画で起工され、平成26年(2014年)3月13日に就役、第3護衛隊群第7護衛隊(舞鶴)に編入されました。造船は三井造船玉野事業所、排水量は5,100トン、全長150.5m、定員は約200名、建造費は726億円です。対潜裝備の追加により1番艦「あきづき」(DD-115)よりも50トン増加しています。

本艦を含む「あきづき型」最大の注目点は、米国のイージスシステムに当たる射撃指揮装置に国産の00式射撃指揮装置(FCS-3)が搭載されていることです。さらに他にも多々国産装置が採用されています。詳しくは「あきづき型」記事をご覧いただくとして、ともかく記念碑的な軍艦であることは間違いありません。

大型のイージス艦「こんごう型」(いずれ「あたご型」も)が弾道ミサイル防衛にあたると僚艦の防空が手薄になるということから、近接僚艦防空(LAD=Local Area Defense)を補う目的で計画・建造されました。

250kmの範囲を探知・追尾するレーダーと射程50kmの発展型シースパローミサイル(ESSM)の組み合わせで、自艦や僚艦へと向かう敵ミサイルを迎撃します。イージス艦よりも新しい設計のため高精度となっており、データの発表がなく推測になりますが、おそらく24発の敵ミサイルを同時に迎撃することが可能です。

基幹となる射撃指揮装置を中心に国産純度の高い護衛艦として大いに活躍してもらい、次に続く国産高性能護衛艦の発展に寄与してくれるよう期待しています。

「ふゆづき/冬月」という名は大日本帝国海軍の秋月型駆逐艦「冬月」に続き2代目です。

「あきづき型」4番艦「ふゆづき」(DD-118)。写真:海上自衛隊
「あきづき型」4番艦「ふゆづき」(DD-118)。写真:海上自衛隊

「あきづき型」4番艦「ふゆづき」(DD-118)。写真:海上自衛隊
「あきづき型」4番艦「ふゆづき」(DD-118)。写真:海上自衛隊
運用者海上自衛隊
主要なバリエーション
生産数
スペック型式
全 幅18.3m
全 長151m
全 高
翼面積
自 重
総重量/最大離陸重量
発動機COGAC方式/ロールス・ロイス スペイ(川崎・16,000shp)×4 
最大速度
実用上昇限度
戦闘行動半径
航続距離
乗 員200名
初飛行
就 役平成26年(2014年)3月13日
退 役-
兵 装

すずつき(DD-117)

すずつき(DD-117)

「あきづき型」護衛艦の3番艦

僚艦防空を担う。国産の射撃指揮装置(イージスシステムに相当)を搭載

※文頭写真:海上自衛隊
※すずつき(DD-117)の性能詳細は「あきづき型」記事をご覧ください。

海洋国家日本の安全保障にとって注目すべき「あきづき型」の3番艦として建造されました。平成21年度(2009)計画で起工され、平成26年(2014年)3月12日に就役、第4護衛隊群第8護衛隊(佐世保)に編入されました。造船は三菱重工業長崎造船所、排水量は5,100トン、全長150.5m、定員は約200名です。対潜裝備の追加により1番艦「あきづき」(DD-115)よりも50トン増加しています。

本艦を含む「あきづき型」最大の注目点は、米国のイージスシステムに当たる射撃指揮装置に国産の00式射撃指揮装置(FCS-3)が搭載されていることです。さらに他にも多々国産装置が採用されています。詳しくは「あきづき型」記事をご覧いただくとして、ともかく記念碑的な軍艦であることは間違いありません。

大型のイージス艦「こんごう型」(いずれ「あたご型」も)が弾道ミサイル防衛にあたると僚艦の防空が手薄になるということから、僚艦防空(LAD=Local Area Defense)を補う目的で計画・建造されました。

250kmの範囲を探知・追尾するレーダーと射程50kmの発展型シースパローミサイル(ESSM)の組み合わせで、自艦や僚艦へと向かう敵ミサイルを迎撃します。イージス艦よりも新しい設計のため高精度となっており、データの発表がなく推測になりますが、おそらく24発の敵ミサイルを同時に迎撃することが可能です。

基幹となる射撃指揮装置を中心に国産純度の高い護衛艦として大いに活躍してもらい、次に続く国産高性能護衛艦の発展に寄与してくれるよう期待しています。

「すずつき/涼月」という名は大日本帝国海軍の秋月型駆逐艦「涼月」に続き2代目です。

「あきづき型」護衛艦の3番艦「すずつき」(DD-117)。写真:海上自衛隊
「あきづき型」護衛艦の3番艦「すずつき」(DD-117)。写真:海上自衛隊

「あきづき型」護衛艦の3番艦「すずつき」(DD-117)。写真:海上自衛隊
「あきづき型」護衛艦の3番艦「すずつき」(DD-117)。写真:海上自衛隊
「あきづき型」護衛艦の3番艦「すずつき」(DD-117)。写真:海上自衛隊
「あきづき型」護衛艦の3番艦「すずつき」(DD-117)。写真:海上自衛隊
運用者海上自衛隊
主要なバリエーション
生産数
スペック型式
全 幅18.3m
全 長151m
全 高
翼面積
自 重
総重量/最大離陸重量
発動機COGAC方式/ロールス・ロイス スペイ(川崎・16,000shp)×4 
最大速度
実用上昇限度
戦闘行動半径
航続距離
乗 員200名
初飛行
就 役平成26年(2014年)3月12日
退 役-
兵 装

てるづき(DD-116)

てるづき(DD-116)

「あきづき型」護衛艦の2番艦

FCS-3A 国産射撃指揮装置を搭載した僚艦防衛艦

※文頭写真:海上自衛隊
※「てるづき」(DD-116)の性能詳細は「あきづき型」記事をご覧ください。

海洋国家日本の安全保障にとって注目すべき「あきづき型」の2番艦として建造されました。平成20年度(2008)計画で起工され、平成25年(2013年)3月7日に就役、第2護衛隊群第6護衛隊(横須賀)に編入されました。造船は三菱重工業長崎造船所、排水量は5,100トン、全長150.5m、定員は約200名です。対潜裝備の追加により1番艦「あきづき」(DD-115)よりも50トン増加しています。

本艦を含む「あきづき型」最大の注目点は、米国のイージスシステムに当たる射撃指揮装置に国産の00式射撃指揮装置(FCS-3)が搭載されていることです。さらに他にも多々国産装置が採用されています。詳しくは「あきづき型」記事をご覧いただくとして、ともかく記念碑的な軍艦であることは間違いありません。

大型のイージス艦「こんごう型」(いずれ「あたご型」も)が弾道ミサイル防衛にあたると僚艦の防空が手薄になるということから、近接僚艦防空(LAD=Local Area Defense)を補う目的で計画・建造されました。

250kmの範囲を探知・追尾するレーダーと射程50kmの発展型シースパローミサイル(ESSM)の組み合わせで、自艦や僚艦へと向かう敵ミサイルを迎撃します。イージス艦よりも新しい設計のため高精度となっており、データの発表がなく推測になりますが、おそらく24発の敵ミサイルを同時に迎撃することが可能です。

基幹となる射撃指揮装置を中心に国産純度の高い護衛艦として大いに活躍してもらい、次に続く国産高性能護衛艦の発展に寄与してくれるよう期待しています。

「てるづき/照月」、という名は大日本帝国海軍の秋月型駆逐艦「照月」、昭和35年(1960年)に就役した海上自衛隊初代旗艦「てるづき」に続き3代目です。

「あきづき型」護衛艦の2番艦「てるづき」(DD-116)。写真:海上自衛隊
「あきづき型」護衛艦の2番艦「てるづき」(DD-116)。写真:海上自衛隊

「あきづき型」護衛艦の2番艦「てるづき」(DD-116)。写真:海上自衛隊
「あきづき型」護衛艦の2番艦「てるづき」(DD-116)。写真:海上自衛隊
「あきづき型」護衛艦の2番艦「てるづき」(DD-116)。写真:海上自衛隊
「あきづき型」護衛艦の2番艦「てるづき」(DD-116)。写真:海上自衛隊
運用者海上自衛隊
主要なバリエーション
生産数
スペック型式
全 幅18.3m
全 長151m
全 高
翼面積
自 重
総重量/最大離陸重量
発動機COGAC方式/ロールス・ロイス スペイ(川崎・16,000shp)×4 
最大速度
実用上昇限度
戦闘行動半径
航続距離
乗 員200名
初飛行
就 役平成25年(2013年)3月7日
退 役-
兵 装

あきづき(DD-115)

あきづき(DD-115)

「あきづき型」1番艦

待望の国産00式射撃指揮装置(FCS-3A)を搭載

※文頭写真:海上自衛隊
※「あきづき」についての性能詳細は「あきづき型」記事をご覧ください。

あきづき型」は海洋国家日本の安全保障にとって注目すべき大切な艦艇であり、そのネームシップが1番艦「あきづき」(DD-115)です。平成19年度(2007)計画で起工され、平成24年(2012年)に就役、第1護衛隊群第5護衛隊(佐世保)に編入されました。造船は三菱重工業長崎造船所、排水量は5,050トン、全長は150.5mです。

第1護衛隊群には横須賀の第1護衛隊と佐世保の第5護衛隊があります。あきづき(DD-115)の所属する第5護衛隊は、こんごう(DDG-173)、あけぼの(DD-108)、ありあけ(DD-109)、あきづき(DD-115)により構成されています。

あきづき(DD-115)、最大の注目点は、米国のイージスシステムに当たる射撃指揮装置に国産の00式射撃指揮装置(FCS-3)が搭載されていることです。さらに他にも多々国産装置が採用されています。詳しくは「あきづき型」記事をご覧いただくとして、ともかく記念碑的な軍艦であることは間違いありません。

大型のイージス艦「こんごう型」(いずれ「あたご型」も)が弾道ミサイル防衛にあたると僚艦の防空が手薄になるということから、近接僚艦防空(LAD=Local Area Defense)を補う目的で計画・建造されました。

250kmの範囲を探知・追尾するレーダーと射程50kmの発展型シースパローミサイル(ESSM)の組み合わせで、自艦や僚艦へと向かう敵ミサイルを迎撃します。イージス艦よりも新しい設計のため高精度となっており、データの発表がなく推測になりますが、おそらく24発の敵ミサイルを同時に迎撃することが可能です。

基幹となる射撃指揮装置を中心に国産純度の高い護衛艦として大いに活躍してもらい、次に続く国産高性能護衛艦の発展に寄与してくれるよう期待しています。

「あきづき/秋月」、という名は大日本帝国海軍の防空型駆逐艦「秋月」、昭和35年(1960年)に就役し、特務艦時代を含め平成5年(1993年)まで活躍した海上自衛隊の初代「あきづき」に続き3代目です。

「あきづき型」1番艦「あきづき」(DD-115)。写真:海上自衛隊
「あきづき型」1番艦「あきづき」(DD-115)。写真:海上自衛隊

「あきづき型」1番艦「あきづき」(DD-115)。写真:海上自衛隊
「あきづき型」1番艦「あきづき」(DD-115)。写真:海上自衛隊
「あきづき型」1番艦「あきづき」(DD-115)。写真:海上自衛隊
「あきづき型」1番艦「あきづき」(DD-115)。写真:海上自衛隊
「あきづき型」1番艦「あきづき」(DD-115)。写真:海上自衛隊
「あきづき型」1番艦「あきづき」(DD-115)。写真:海上自衛隊
「あきづき型」1番艦「あきづき」(DD-115)。写真:海上自衛隊
「あきづき型」1番艦「あきづき」(DD-115)。写真:海上自衛隊
運用者海上自衛隊
主要なバリエーション
生産数
スペック型式
全 幅18.3m
全 長151m
全 高
翼面積
自 重
総重量/最大離陸重量
発動機COGAC方式/ロールス・ロイス スペイ(川崎・16,000shp)×4 
最大速度
実用上昇限度
戦闘行動半径
航続距離
乗 員200名
初飛行
就 役2012年3月14日
退 役-
兵 装

あきづき型

あきづき型

国産射撃管制システムを搭載した護衛艦

僚艦防空(ローカル・エリア・ディフェンス)を担う

※文頭写真:海上自衛隊

海上自衛隊の「あきづき型」護衛艦は、国産のFCS-3(00式射撃指揮装置3型)という射撃指揮装置を搭載した僚艦防空艦です。自艦だけでなく僚艦を防衛でき、その主力システムが国産であるというのが最大の特徴です。

「あきづき型」には4隻があります。1番艦はネームシップの「あきづき」(DD-115)、2番艦「てるづき」(DD-116)、3番艦「すずつき」(DD-117)、4番艦「ふゆづき」(DD-118)となっています。

平成24年(2012年)から順次就役し、排水量は5,050トン(2番艦以降は5,100トン)、全長150.5m、全幅18.3m、深さ10.9m、英国スペイ(川崎重工)のSM1Cガスタービン4基をCOGAC方式にて搭載(16,000馬力×4)、スクリュープロペラ2軸にて最大30キロノットの速力です。艦尾にはヘリコプター1機〜2機を運用できるヘリ甲板とデッキを備えています。

1番艦の「あきづき」(DD-115)〜3番艦「すずつき」(DD-117)までは三菱重工長崎造船所、4番艦の「ふゆづき」(DD-118)は三井造船玉野事業所において建造されました。所属等は次のとおりです。
「あきづき」(DD-115) 第1護衛隊群第5護衛隊(司令部:横須賀、定係港:佐世保)
「てるづき」(DD-116) 第2護衛隊群第6護衛隊(司令部:佐世保、定係港:横須賀)
「すずつき」(DD-117) 第4護衛隊群第8護衛隊(司令部:呉、定係港:佐世保)
「ふゆづき」(DD-118) 第3護衛隊群第7護衛隊(司令部:舞鶴、定係港:舞鶴)

「あきづき型」1番艦「あきづき」(DD-115)。写真:海上自衛隊
「あきづき型」1番艦「あきづき」(DD-115)。写真:海上自衛隊

「あきづき型」護衛艦の2番艦「てるづき」(DD-116)。写真:海上自衛隊
「あきづき型」護衛艦の2番艦「てるづき」(DD-116)。写真:海上自衛隊

「あきづき型」護衛艦の3番艦「すずつき」(DD-117)。写真:海上自衛隊
「あきづき型」護衛艦の3番艦「すずつき」(DD-117)。写真:海上自衛隊

「あきづき型」4番艦「ふゆづき」(DD-118)。写真:海上自衛隊
「あきづき型」4番艦「ふゆづき」(DD-118)。写真:海上自衛隊

海上自衛隊にはイージスシステムを搭載し、通常の防空任務の他、弾道ミサイル防衛も担う大型艦として、こんごう型4隻、あたご型2隻の計6隻があります。弾道ミサイル防衛任務中には低空のミサイル防衛が手薄となることから、これを補うために「あきづき型」が計画・建造されました。英語でいうと、ローカル・エリア・ディフェンス(LAD)となります。

イージスシステムは約450kmのレーダー探索範囲を持ち、SM-2対空ミサイルの射程距離は約120kmです。一方日本のFCS-3は探索距離約250km、ESSM対空ミサイルの射程距離は50kmとなっています。

広範囲の防衛能力が低いといわれることがありますが、ローカル・エリア・ディフェンス(LAD)を目的としていますから的外れな批判です。価格を抑えて双方を満たすことができればよいのでしょうが、現在のところ総合的にみてこれでよいのです。単純比較はできませんが、イージス艦の「こんごう型」は1隻約1,500億円、「あさぎり型」は約750億円です。FCS-3は射程距離内ではイージスを上回る性能を持ち、将来性にも優れています。

国産FCS-3(00式射撃指揮装置3型)を採用した功績

「あさづき型」について大手報道などでは「日本版イージス」というような見出しがつけられていたように思います。間違いではありませんが、我らの祖国を守る軍艦ですから、もう少し細かくみていきましょう。

まずは、米国のイージスシステムに相当し、戦闘能力の中核となるFCS-3(00式射撃指揮装置3型)についてです。

米国が1980年代に開発したイージスシステムは、各種レーダーやミサイル、ネットワークを統合した戦闘システムであり、それまでの属人的な情報収集・判断・攻撃に比べ、飛躍的にその能力を高めました。そして、日本やその他の国々もこうした戦闘システムの開発を進めていました。

日本ではFCS-3の前にFCS-2という防空システムがありましたが、まだまだ人の手が必要な段階的なものであり、多目標への攻撃もできませんでした。1980年代前半から、FCS-2の後継開発が始まり、2000年にFCS-3が制式化されました。

FCS-3はイージスシステムに比べて新しいこともあり、基本設計から異なったものとなっています。

イージスシステムの中核を成す多機能レーダー(SPY-1)はSバンドのパッシブ・フェーズド・アレイ・レーダー(以下、PESA)。これに対して日本のFCS-3はアクティブ・フェーズド・アレイ・レーダー(以下、AESA)です。ちなみに戦闘機に初めてAESAレーダーを搭載したのは日本のF-2です。

一昔前のレーダーというとグルグルと動いている(走査)イメージがあります。それにより広範囲を探知しているわけですが、これをアンテナ素子の位相制御により動かさずに可能にしたのが、PESA、AESAといったフェーズド・アレイ・レーダー(位相配列レーダー)です。

PESAは移相器のみでつくられ、AESAは移相器に加えて増幅回路が組み込まれています。これにより、FCS-3に使われたAESAはPESAに比べて探知性能、省電力、高速、信号の損失低下、半導体化(イージスは電子管)、耐久性、秘匿性等々といった様々面において優れています。要するにAESAはPESAより進んだ技術のレーダーということです。

艦橋に八角形の白い板のようなものがついており、これがAESAレーダーです。大きい方がCバンド、小さい方がXバンドです。

ちなみに、FCS-3のAESAレーダーは300の目標を同時に探知追尾することができます。拡張性にも優れており、ミサイルや戦術情報処理装置など他の様々な装置とのバランスをとりつつ、イージスレーダーに比べて比較的容易に性能向上を計ることができます。

「あさづき型」に搭載されたFCS-3は改良型のFCS-3Aであり、初めて搭載された「ひゅうが型」のFCS-3に比べ、モジュール出力は3倍以上となっており、戦闘指揮システム(QYQ-11)も改良され、より多くの目標を探知追尾でき、自艦以外へと向かうミサイルなどへの対処能力も付与されています。

このような新鋭艦である「あきづき型」の戦闘指揮所(CIC=Combat Information Center)にはディスプレイがいくつも並び、レーダー、通信、武器など様々な情報が集まり、情報が反映された共通状況図など、機密事項が多くあります。戦闘時には当然ながら、艦長がここから指揮を執ります。機密性が高く、乗組員でさえ立入制限されるそうです。

ほぼ国産といってよい記念すべき軍艦

艦船のイージスシステムやFCS-3、戦闘機の飛行制御装置などの複雑な統合装置は膨大な時間をかけて成長していきます。訓練や実験を通して得たデータを反映させ、装置やプログラムを育てていくものであり、特にプログラムの比重は高いものとなっています。我々国民は粘り強く見守っていくことが必要となってきます。
「あきづき型」の建造が計画された時、米国製イージスシステムのLADに適したものも検討されましたが、結局、国産のFCS-3が採用されました。小銃、戦車、戦闘機など自衛隊では多くの国産兵器が活躍し、日本を守ってくれています。ぜひ艦船も国産をと思い続けていましたからFCS-3Aを搭載した「あきづき型」は待望の艦船でした。

「あきづき型」4隻は三菱重工業 長崎造船所及び三井造船 玉野事業所において建造され、船体はもちろん、多くの国産製品が使われています。主には以下のようなものがあります。
・00式射撃指揮装置3型(FCS-3A)
・作戦級システム「海上作戦舞台指揮管制支援(MOF)システム」
・航海レーダー・対水上捜索レーダー「OPS-20C」(日本無線製)
・水上艦用電波探知妨害装置「NOLQ-3D」
・川崎M1A-35ガスタービン発電機(川崎重工業)
・90式艦対艦誘導弾(SSM-1B)

イージスシステムももちろん世界をリードする優秀な兵器です。しかし、ブラックボックス(開けられない極秘部分)があり、そこについては日本の現場でさわれないという問題もあります。国産であれば、日本の現場で起こる問題をどんどん吸い上げ、、日本の技術を存分に発揮した改良を施すことができ、知識・技術を蓄積することができます。

気をつけるのは逆に技術を盗まれないことです。そろそろ米国並にスパイ防止法等の整備を考えるべきだと思います。そもそもあって当たり前ともいえます。

「あきづき型」2番艦「てるづき」(DD-116)。写真:海上自衛隊
「あきづき型」2番艦「てるづき」(DD-116)。写真:海上自衛隊

「あきづき型」2番艦「てるづき」(DD-116)。写真:海上自衛隊
「あきづき型」2番艦「てるづき」(DD-116)。写真:海上自衛隊

難題だったエンジン国産化にも道筋

一つ残念なのはエンジンです。艦艇のガスタービンエンジンは、航空機用に開発されたものが基本となることが多いです。飛行機や艦艇のエンジン開発は大変難しいものです。

大東亜戦争に負け飛行機の開発を禁じられた日本は、戦争末期から始まったジェット・エンジン時代に大きな遅れをとってしまいました。平成30年が間近となったいまでも、国産エンジンを搭載した戦闘機はなく、当然軍艦もありません。

これだけ国産化された「あきづき型」でも、エンジンは英国ロールス・ロイス社が1964年に開発し、以後現在まで改良され続けている「スペイSM1C」を、川崎重工業がライセンス生産し4基搭載しています。しかし、国産エンジンを搭載した護衛艦が就役する日も確実に近づいているのです。

現在開発中のF-2に代わる次期国産戦闘機では待望の国産ジェットエンジンが搭載されることとなっています。このエンジンは防衛省技術研究本部とIHI(旧 石川島播磨重工業)が研究開発しXF5-1と名付けられています。

次期国産戦闘機開発は、平成28年(2016年)4月22日、先進技術実証機X-2が初飛行に成功しました。この開発が順調に進み、国産エンジンを積んだ戦闘機が就役すれば、次はそのエンジン技術を使って艦艇用エンジンの開発が進むはずです。近い将来、海自護衛艦にも国産ターボファンエンジンが搭載される日が確実にくるでしょう。

防衛事務次官の利益供与事件の影響

海自護衛艦はこれまで米国GE社のLM2500(IHI社がライセンス生産)と上記スペイを2基ずつ計4基積むケースが主流でした。「あきづき型」もその予定だったでしょうが、選定時点で防衛事務次官による山田洋行社への便宜供与問題が報じられ、これに関連していたGE社のLM2500が外されることとなりました。

海自機関科の関係者に話をきくと、スペイは燃料の不純物に弱いなどデリケートな部分が多く、LM2500の方が扱いやすいとのことですから現場の方々が苦労されるのではと心配です。

ステルス性

ステルス(stealth)とは、レーダー等のセンサー類から探知され難くする軍事技術であり、形状、素材、表面塗装、磁力、静粛などの手法があります。現代の戦闘は視界外戦闘が主流となっていますから、レーダーに映らなければいないのと同じです。ちなみに、ステルス艦の始まりといわれる一つに大東亜戦争時代の大日本帝国海軍潜水艦があります。

ステルス性の進んだ戦闘機の場合、最新型の米国製F-35では小鳥程度にしか映らないといわれますが、巨大な「あきづき型」が小鳥程度になることはないでしょう。艦船のステルスについてはデータが得られず、その効果は具体的にはわかりませんが、5,050t級の「あきづき型」が1,500t級に映るとすれば、大きな効果があります。

「あきづき型」では、ステルス性能がかなり進歩したといわれます。一見してわかるのは船体や甲板上部の構造物の傾斜。これはレーダーを発信元でない方向に反射させるための形状ステルスです。さらに、上述のAESAレーダーを搭載したFCS-3の恩恵により、それまでマストに設置されていた対空レーダーがなくなったことでマストを減らすことができ、レーダーに移りやすい突起物軽減に役立っています。

システム系

システム系では、初の国産システムということでFCS-3(00式射撃指揮装置3型)が最も重要でしょう。そして、FCS-3を含むいくつかのシステムを統合するC4Iシステムがあり、概ね以下のような構成です。

◎C4Iシステム
MOFシステム(海上作戦部隊指揮管制支援システム)、FCS-3(00式射撃指揮装置3型)、OYQ-11(海軍戦術情報システム)、リンク11/16(戦術データ・リンク)

イメージとしては、自衛隊及び同盟軍のすべての情報を元に判断・行動するということです。例えば、自艦のレーダーを使用することなく(逆探知の可能性を排除)目標のデータだけを受け取り、ミサイルを発射して撃破ということもできます。

艦長等の指揮官はディスプレイに表示された共通作戦状況図(COP=Common Operational Picture)を見ながら指揮することになり、そこには戦力の配置や可能な行動、地形や気象などの戦闘空間の状況等々が表示されます。

対空裝備

対空裝備は、ESSM短SAMと高性能20mm機関砲(CIWS)です。CIWSは至近距離において迎撃する近接防御火器システムであり、非常時ともいえる最終手段であることから、ほぼ独立しています。
「あさづき型」の主力防空を担うのは、FCS-3Aにより管制されたESSM(Evolved Sea Sparrow Missile)短SAMです。米国レイセオン社の艦対空ミサイルであり、日本向けの製造は三菱電機が行っています。
直系は0.25m、全長3.8m、重量300kg、射程距離50km、飛翔速度はマッハ2.5〜3、誘導方式はセミアクティブ・レーダー・ホーミングという概要です。推力を偏向制御できるTVC(Thrust Vector Control)という装置が組み込まれており、低速度でも優秀な運動能力を発揮します。
セミアクティブ・レーダー・ホーミング(SARH)とは、撃ちっぱなしでミサイルが自律誘導により目標に向かうのではなく、発射母体(この場合は「あきづき型」)が目標に対して電波を照射し、その反射をミサイルに搭載した目標捜索装置(シーカー)が検知して追跡する方式です。ESSMを誘導するためのレーダー波照射のアルゴリズムは2種類ある八角形のFCS-3のレーダーのうち、4つある小さい方が担います(イルミネーター)。
かつては発射母体がレーダーを照射し続けなくてはならず、その間、他のミサイルを誘導できないということになります。しかし「あきづき型」のミサイル(ESSM)は中間の誘導を慣性航法装置や他の無線リンクでも可能とし、ICWI(間欠連続波照射)機能も備えています。ここから推測すると、同時に誘導できるミサイルの最大数は1つのイルミネーターにつき6発、計24発と推測します。

「あきづき型」1番艦「あきづき」(DD-115)の艦橋。ステルス性を高めるための傾斜がわかります。中ほど、左右均等に配置された4つの白色八角形のものがFCS-3Aのレーダー。大きい方がCバンド、小さいほうがXバンド(後方にも同数)。正面の長い円筒形のものはCIWS。艦橋上部にはOPS-20C水上レーダーなどがあります。写真:海上自衛隊
「あきづき型」1番艦「あきづき」(DD-115)の艦橋。ステルス性を高めるための傾斜がわかります。中ほど、左右均等に配置された4つの白色八角形のものがFCS-3Aのレーダー。大きい方がCバンド、小さいほうがXバンド(後方にも同数)。正面の長い円筒形のものはCIWS。艦橋上部にはOPS-20C水上レーダーなどがあります。写真:海上自衛隊

ESSMは垂直発射装置(Mk.41 mod.29 VLS(Vertical Launching System))という米国製の発射装置に入っています。筒が甲板に縦に刺さるように整然と並ぶ保管庫のような形状をしており、そのまま上に向けて発射されます。一つ一つの筒はセルと呼ばれ「あきづき型」は32セルを備えています。

対艦裝備

対艦は、主に対水上捜索レーダー「OPS-20C(日本無線製)」と「90式対艦誘導弾(SSM-1B、三菱重工製)」が担い、加えて62口径5インチ単装砲(Mk.45 mod.4)が補います。
OPS-20Cはマスト中段にある細くて横長のものがメイン、左下にある同形状で小型のものがサブです。
90式対艦誘導弾(SSM-1B)は、艦中央やや後部にある筒状のもので2本ずつ左右に設置されています。全長約5m、重量660kg、射程距離は約150km、慣性航法とアクティブ・レーダー誘導により目標に向かい、時速1,150kmで飛翔します。
筒状の発射台などの装置は米国の艦体艦ミサイル、ハープーンも使用することができ、作戦能力を高めています。

対潜裝備

◎魚雷防御システム(TCM=Torpedo Counter Measure)
「あきづき型」は日本電気製のOQQ-22統合ソナー・システムに各種ジャマー・デコイを一元管理する魚雷防御システム(TCM=Torpedo Counter Measure)を備えています。これは、従来護衛艦よりも大幅に刷新されたものであり、最大の特徴は、統合システム化です。

イージスシステムにしても、00式射撃指揮装置3型(FCS-3)にしてもそうですが、最新兵器は自艦だけでなくネットワークを駆使して味方の情報・火力を統合することにより、戦闘能力を飛躍的に高めています。

水中を伝播する音波を利用して探索、探知、測距するソナー(超音波探信儀)は、上記のOQQ-22統合ソナー・システムを搭載し、デコイやジャマーは曳航具4型対魚雷デコイを2基、投射型静止式ジャマー(FAJ)2基、自走式デコイ(MOD)2基を裝備しています。

ジャマーやデコイは、簡単にいってしまえば囮です。ソナーにより敵潜水艦を探知し、敵潜水艦の発射した魚雷を囮となるジャマーやデコイに向かわせ、自艦を守ります。

ある海自関係者は「潜水艦は強い。」としみじみ語っていました。水上艦にとっていかに潜水艦が脅威なのかが伝わってきました。日本は非原子力の潜水艦建造・運用においては世界のトップを走ります。

「潜水艦には潜水艦」がもっとも適切な対処だということでしたが、それだけに頼るわけにもいきませんから、「あさづき型」を始め各水上艦は上記のように様々な手段を用いて脅威に対抗しています。

◎開発中の新システム「バイ/マルチスタティック戦術」
防衛省による平成28年度概算要求の概要では「可変深度ソーナーシステムの開発(予算97億円)」が盛り込まれ、次のような説明がなされています。
「護衛艦に搭載する新たなソーナーシステムとして、層深下に潜航した潜水艦の探知類別能力を向上させるため、えい航式ソーナーにアクティブソーナーの機能を付加し、複数の護衛艦で相互連携による捜索を可能とする可変深度どーナーシステムを開発」。

洋上無線ルータを使用して複数の護衛艦が相互連携するシステムのようですから、より精度の向上が実現するでしょう。バイ/マルチスタティック戦術といわれます。

◎07式垂直発射投射ロケット
魚雷防御システム(TCM)により敵潜水艦から自艦を守るとともに、探知した敵潜水艦を攻撃するのが艦対潜ミサイルです。「あきづき型」1番艦の「あきづき(DD-115)」は、米ロッキード・マーチン社製の垂直発射式(VL)アスロックを、2番艦「てるづき(DD-116)」以降はアスロックよりも性能向上した2007年制式採用の「07式垂直発射投射ロケット」(通称:新アスロック)を裝備しています。

「07式垂直発射投射ロケット」は新アスロックともいわれるように、アスロックの性能向上型といえます。特に、即応性と遠距離での対潜対処能力を高めたものとなっています。

新アスロックというとと言うと米国のアスロックの改良版のようですが、日本の技術研究本部が開発した国産兵器です。その辺あまりこだわらないところが控え目でよいです。

ちなみに、中国や韓国は兵器の性能を現実よりも大変高いものと強調し、実態は欠陥だらけということが往々にしてありますが、日本の場合は実態より高くいうことはまずありませんから、いざというときには信頼できます。

07式垂直発射投射ロケットはその名の通り、VLS(垂直発射システム)から垂直に発射され、目標海域まで飛翔、ロケット部分を切り離しパラシュートを開いて着水、弾頭部分の97式魚雷や12式魚雷が水中を目標に向かいます。

正確な性能は開示されていませんが、速度50〜60ノット、攻撃可能な深度は1,000m程ではないかと思われます。

電子戦装置

電子戦というのは、敵の電波を傍受・分析、敵の電波機器を攻撃、自艦を電子攻撃から防護するなどの活動のことです。日本は戦後一貫して研究開発されており、「あきづき型」に搭載されているNQLQ-3Dは第3世代にあたります。

ヘリコプター

艦尾にヘリ甲板とハンガーが備えられ、SH-60J/K哨戒ヘリコプターは常用1機(最大2機)、MCH-101掃海・輸送ヘリコプターの場合は1機の運用が可能です。SH-60Kと艦はORQ-1C-2ヘリコプター・データリンクにより情報共有されています。

上記の中でもSH-60Kは三菱重工と防衛庁が開発した対潜哨戒・汎用ヘリコプターで、2005年から運用されている高性能ヘリです。
レーダー、ソノブイ(使いきり対潜水艦用音響捜索機器)、磁気探査装置(MAD)、電子戦支援装置(ESM)、赤外線探知装置(FLIR)、逆合成開口レーダー(ISAR)を搭載しており、これらを駆使した探知性能は潜水艦にとっては「嫌な奴」です。

発見した潜水艦を剛撃する97式短魚雷、対潜爆弾の他、AGM-114Mヘルファイア2空対艦ミサイル、74式機銃といった武装を備え、小型艦艇であれば攻撃も可能です。

SH-60J。写真:海上自衛隊
SH-60J。写真:海上自衛隊

SH-60K。写真:海上自衛隊
SH-60K。写真:海上自衛隊
運用者海上自衛隊
主要なバリエーション
生産数
スペック型式
全 幅18.3m
全 長151m
全 高
翼面積
自 重
総重量/最大離陸重量
発動機COGAC方式/ロールス・ロイス スペイ(川崎・16,000shp)×4 
最大速度
実用上昇限度
戦闘行動半径
航続距離
乗 員200名
初飛行
就 役平成22年(2010年)〜平成24年(2012年)
退 役-
兵 装

こんごう(DDG-173)

こんごう(DDG-173)

イージス護衛艦「こんごう型」1番艦

イージス武器システム、弾道ミサイル防衛(BMD)

※文頭写真:海上自衛隊
※「こんごう」(DDG-173)の性能など詳しい内容は「こんごう型」記事をご覧ください。

「こんごう」(DDG-173)は、海上自衛隊のイージス護衛艦「こんごう型」の1番艦です。平成2年(1990年)5月8日、三菱重工長崎造船所において起工され、平成3年(1991年)8月26日に進水、平成5年(1993年)3月25日に就役し、長崎県佐世保の第2護衛隊群第62護衛隊に編入され、その後改編により第1護衛隊群第5護衛隊(佐世保)の所属となりました。

艦名の「こんごう」は、日本海軍初の超弩級巡洋戦艦として第1次世界大戦、大東亜戦争において活躍した金剛型戦艦「金剛」(全長219.4m、排水量31,720t、乗員2,367名)以来となります。

戦艦「金剛」は建造当時世界屈指の戦艦であったことを考えると、海自初のイージス艦として建造された「こんごう」(DDG-173)が引き継ぐに相応しい艦名と思えます。イージス武器システムは、128以上の目標を同時に補足・追跡し、10以上の目標を同時迎撃可能といわれる強力な戦闘システムです。

本艦を含む「こんごう型」は弾道ミサイル防衛(BMD)を担っています。平成19年(2007年)12月18日、ハワイ・カウアイ島沖において弾道ミサイル防衛に使用するミサイルSM-3の迎撃演習を行ない、高度160kmの熱圏を飛翔する標的(ミサイル)の迎撃に成功しています。

平成24年(2012年)12月6日、翌平成25年(2013年)春と続けて北朝鮮が弾道ミサイルを発射実験を行った際には、破壊措置命令に従い出撃しました。

海上自衛隊のイージス護衛艦「こんごう」(DDG-173)。写真:海上自衛隊
海上自衛隊のイージス護衛艦「こんごう」(DDG-173)。写真:海上自衛隊

海上自衛隊のイージス護衛艦「こんごう」(DDG-173)。写真:海上自衛隊
海上自衛隊のイージス護衛艦「こんごう」(DDG-173)。写真:海上自衛隊
海上自衛隊のイージス護衛艦「こんごう」(DDG-173)。写真:海上自衛隊
海上自衛隊のイージス護衛艦「こんごう」(DDG-173)。写真:海上自衛隊
海上自衛隊のイージス護衛艦「こんごう」(DDG-173)。写真:海上自衛隊
海上自衛隊のイージス護衛艦「こんごう」(DDG-173)。写真:海上自衛隊
ハワイ沖でのミサイル発射実験のためハワイ真珠湾に停泊する、海上自衛隊のイージス護衛艦「こんごう」(DDG-173)。平成19年(2007年)10月15日。写真:USNAVY
ハワイ沖でのミサイル発射実験のためハワイ真珠湾に停泊する、海上自衛隊のイージス護衛艦「こんごう」(DDG-173)。平成19年(2007年)10月15日。写真:USNAVY
平成19年(2007年)12月18日、ハワイカウアイ島沖において弾道ミサイル迎撃実験のため、RIM-161スタンダードミサイル3(SM-3)を発射する、海上自衛隊のイージス護衛艦「こんごう」(DDG-173)。写真:USNAVY
平成19年(2007年)12月18日、ハワイカウアイ島沖において弾道ミサイル迎撃実験のため、RIM-161スタンダードミサイル3(SM-3)を発射する、海上自衛隊のイージス護衛艦「こんごう」(DDG-173)。写真:USNAVY
運用者海上自衛隊
主要なバリエーション
生産数
スペック型式
全 幅21m
全 長161m
全 高
翼面積
自 重
総重量/最大離陸重量
発動機COGAC方式/ゼネラル・エレクトリック(IHIライセンス生産)LM2500型ガスタービンエンジン(25,000ps)×4
最大速度
実用上昇限度
戦闘行動半径
航続距離
乗 員300名
初飛行
就 役平成5年(1993年)3月25日
退 役-
兵 装

きりしま(DDG-174)

きりしま(DDG-174)

イージス護衛艦「こんごう型」2番艦

弾道ミサイル防衛を担うイージス護衛艦

※文頭写真:海上自衛隊
※「きりしま」(DDG-174)の性能など詳しい内容は「こんごう型」記事をご覧ください。

「きりしま」(DDG-174)は、海上自衛隊のイージス護衛艦「こんごう型」の2番艦です。平成4年(1992年)4月7日、三菱重工長崎造船所において起工され、平成5年(1993年)8月19日に進水、平成7年(1995年)3月16日に就役し、神奈川県横須賀の第1護衛隊群第61護衛隊に編入され、その後改編により第2護衛隊群第6護衛隊(横須賀)の所属となりました。

艦名の「きりしま」は、大日本帝国海軍金剛型戦艦の4番艦「霧島」を受け継いでいます。「霧島」は、大正4年(1915年)に就役し、大東亜戦争のソロモン海戦において沈没しました。

「きりしま」(DDG-174)が搭載するイージス武器システムは、128以上の目標を同時に補足・追跡し、10以上の目標を同時迎撃可能といわれる世界最強の戦闘システムです。本艦を含む「こんごう型」4隻はイージス武器システムを使用した弾道ミサイル防衛システム(BMD)能力を持っています。

弾道ミサイル防衛システム(BMD)はVLS垂直発射装置からSM-3(スタンダードミサイル3)を発射し、日本に飛来する弾道ミサイルを迎撃するものです。

海上自衛隊のイージス護衛艦「きりしま」(DDG-174)。写真:海上自衛隊
海上自衛隊のイージス護衛艦「きりしま」(DDG-174)。写真:海上自衛隊

海上自衛隊のイージス護衛艦「きりしま」(DDG-174)。写真:海上自衛隊
海上自衛隊のイージス護衛艦「きりしま」(DDG-174)。写真:海上自衛隊
海上自衛隊のイージス護衛艦「きりしま」(DDG-174)。写真:海上自衛隊
海上自衛隊のイージス護衛艦「きりしま」(DDG-174)。写真:海上自衛隊
海上自衛隊のイージス護衛艦「きりしま」(DDG-174)。写真:海上自衛隊
海上自衛隊のイージス護衛艦「きりしま」(DDG-174)。写真:海上自衛隊
海上自衛隊のイージス護衛艦「きりしま」(DDG-174)。写真:海上自衛隊
海上自衛隊のイージス護衛艦「きりしま」(DDG-174)。写真:海上自衛隊
海上自衛隊のイージス護衛艦「きりしま」(DDG-174)。写真:海上自衛隊
海上自衛隊のイージス護衛艦「きりしま」(DDG-174)。写真:海上自衛隊
海上自衛隊のイージス護衛艦「きりしま」(DDG-174)。写真:海上自衛隊
海上自衛隊のイージス護衛艦「きりしま」(DDG-174)。写真:海上自衛隊
運用者海上自衛隊
主要なバリエーション
生産数
スペック型式
全 幅21m
全 長161m
全 高
翼面積
自 重
総重量/最大離陸重量
発動機COGAC方式/ゼネラル・エレクトリック(IHIライセンス生産)LM2500型ガスタービンエンジン(25,000ps)×4
最大速度
実用上昇限度
戦闘行動半径
航続距離
乗 員300名
初飛行
就 役平成7年(1995年)3月16日
退 役-
兵 装

みょうこう(DDG-175)

みょうこう(DDG-175)

イージス護衛艦「こんごう型」3番艦

弾道ミサイル防衛能力を持つ高性能イージス艦

※文頭写真:海上自衛隊
※「みょうこう」(DDG-175)の性能など詳しい内容は「こんごう型」記事をご覧ください。

「みょうこう」(DDG-175)は、海上自衛隊のイージス護衛艦「こんごう型」の3番艦です。平成5年(1993年)4月8日、三菱重工長崎造船所において起工され、平成6年(1994年)10月5日に進水、平成8年(1996年)3月14日に就役し、京都府舞鶴の第3護衛隊群第63護衛隊に編入され、その後改編により第3護衛隊群第7護衛隊(舞鶴)の所属となりました。

本艦を含む「こんごう型」は弾道ミサイル防衛(BMD)を担っています。平成21年(2009年)、弾道ミサイル防衛(BMD)機能が付加され、ハワイ・カウアイ島沖において発射試験が行われ、模擬弾道ミサイルの迎撃に成功しました。

平成24年(2012年)12月6日、北朝鮮が弾道ミサイルを発射実験を行った際には、破壊措置命令に従い出撃しました。

海上自衛隊のイージス護衛艦「みょうこう」(DDG-175)。写真:海上自衛隊
海上自衛隊のイージス護衛艦「みょうこう」(DDG-175)。写真:海上自衛隊

海上自衛隊のイージス護衛艦「みょうこう」(DDG-175)。写真:海上自衛隊
海上自衛隊のイージス護衛艦「みょうこう」(DDG-175)。写真:海上自衛隊
海上自衛隊のイージス護衛艦「みょうこう」(DDG-175)。写真:海上自衛隊
海上自衛隊のイージス護衛艦「みょうこう」(DDG-175)。写真:海上自衛隊
海上自衛隊のイージス護衛艦「みょうこう」(DDG-175)。写真:海上自衛隊
海上自衛隊のイージス護衛艦「みょうこう」(DDG-175)。写真:海上自衛隊
海上自衛隊のイージス護衛艦「みょうこう」(DDG-175)。写真:海上自衛隊
海上自衛隊のイージス護衛艦「みょうこう」(DDG-175)。写真:海上自衛隊
海上自衛隊のイージス護衛艦「みょうこう」(DDG-175)から発射された弾道防衛用のSM-3(スタンダートミサイル3)。平成21年(2009年)10月28日、ハワイカウアイ島沖における実射実験。写真:USNSVY
海上自衛隊のイージス護衛艦「みょうこう」(DDG-175)から発射された弾道防衛用のSM-3(スタンダートミサイル3)。平成21年(2009年)10月28日、ハワイカウアイ島沖における実射実験。写真:USNSVY
フィリピン海上において米海軍と訓練中の「みょうこう」(DDG-175)。となりを航行するのは米海軍原子力空母「ロナルド・レーガン」(CVN-76)。写真:USNAVY
フィリピン海上において米海軍と訓練中の「みょうこう」(DDG-175)。となりを航行するのは米海軍原子力空母「ロナルド・レーガン」(CVN-76)。写真:USNAVY
海上自衛隊のイージス護衛艦「みょうこう」(DDG-175)。写真:海上自衛隊
海上自衛隊のイージス護衛艦「みょうこう」(DDG-175)。写真:海上自衛隊
運用者海上自衛隊
主要なバリエーション
生産数
スペック型式
全 幅21m
全 長161m
全 高
翼面積
自 重
総重量/最大離陸重量
発動機COGAC方式/ゼネラル・エレクトリック(IHIライセンス生産)LM2500型ガスタービンエンジン(25,000ps)×4
最大速度
実用上昇限度
戦闘行動半径
航続距離
乗 員300名
初飛行
就 役平成8年(1996年)3月14日
退 役-
兵 装

ちょうかい(DDG-176)

ちょうかい(DDG-176)

イージス護衛艦「こんごう型」4番艦

弾道ミサイル防衛能力を持つ高性能イージス艦

※文頭写真:海上自衛隊
※「ちょうかい」(DDG-176)の性能など詳しい内容は「こんごう型」記事をご覧ください。

「ちょうかい」(DDG-176)は、海上自衛隊のイージス護衛艦「こんごう型」の4番艦です。平成7年(1995年)5月29日、石川島播磨重工東京第1工場において起工され、平成8年(1996年)8月27日に進水、平成10年(1998年)3月20日に就役し、長崎県佐世保の第4護衛隊群第64護衛隊に編入され、その後改編により第4護衛隊群第8護衛隊(佐世保)の所属となりました。

本艦を含む「こんごう型」は、イージス艦の開発国である米国以外で初めてのイージス艦です。また、イージス武器システムを使用した弾道ミサイル防衛(BMD)を担っています。
平成24年(2012年)12月6日、北朝鮮が弾道ミサイルを発射実験を行った際には、破壊措置命令に従い出撃しました。

海上自衛隊のイージス護衛艦「ちょうかい」(DDG-176)。写真:海上自衛隊
海上自衛隊のイージス護衛艦「ちょうかい」(DDG-176)。写真:海上自衛隊

海上自衛隊のイージス護衛艦「ちょうかい」(DDG-176)。写真:海上自衛隊
海上自衛隊のイージス護衛艦「ちょうかい」(DDG-176)。写真:海上自衛隊
海上自衛隊のイージス護衛艦「ちょうかい」(DDG-176)。写真:海上自衛隊
海上自衛隊のイージス護衛艦「ちょうかい」(DDG-176)。写真:海上自衛隊
「ちょうかい」(DDG-176)から発射された弾道ミサイル防衛用スタンダードミサイル3(SM-3)。ハワイカウアイ島沖において行われた発射実験の模様。平成20年(2008年)11月19日。写真:USNAVY
「ちょうかい」(DDG-176)から発射された弾道ミサイル防衛用スタンダードミサイル3(SM-3)。ハワイカウアイ島沖において行われた発射実験の模様。平成20年(2008年)11月19日。写真:USNAVY
運用者海上自衛隊
主要なバリエーション
生産数
スペック型式
全 幅21m
全 長161m
全 高
翼面積
自 重
総重量/最大離陸重量
発動機COGAC方式/ゼネラル・エレクトリック(IHIライセンス生産)LM2500型ガスタービンエンジン(25,000ps)×4
最大速度
実用上昇限度
戦闘行動半径
航続距離
乗 員300名
初飛行
就 役平成10年(1998年)3月20日
退 役-
兵 装

こんごう型

こんごう型

海自初のイージス艦

日本の弾道ミサイル防衛を担うイージス艦

※文頭写真:環太平洋合同演習(RIMPAC)2014において航行中の「こんごう型」2番艦「きりしま」(DDG-174)。写真:海上自衛隊

「こんごう型」は海上自衛隊初のイージス艦です。米海軍「アーレイ・バーク級」ミサイル駆逐艦をモデルに、三菱重工長崎造船所及び石川島播磨重工東京第1工場において建造されました。

イージス艦の母国、米国以外では日本が初めてのイージス艦保有国となりました。これは、ソ連の対艦飽和攻撃に脅威を感じた米国が、同盟国であり、自国空母の母港ともなっている日本にイージス武器システムを提供したものです。

昭和61年(1986年)・平成3年(1991年)の中期防衛力整備計画に基づいて、昭和63年(1989)に建造が始まり、平成5年(1993年)までに「こんごう」(DDG-173)、「きりしま」(DDG-174)、「みょうこう」(DDG-175)、「ちょうかい」(DDG-176)の4隻が建造されました。

※中期防衛力整備計画とは、日本における安全保障政策の指針、防衛計画大綱に従って策定される軍備の5か年計画です。状況により5年を待たずに変更されることもあります。

「こんごう型」建造計画が整備された昭和61年(1986年)〜平成3年(1991年)頃は冷戦(1945〜1989年)の終了前後にあたる激動の時代でした。

昭和60年(1985年)からソ連のゴルバチョフ書記長がペレストロイカ(政治改革運動)を推し進め、昭和61年(1986年)にはチェルノブイリ原子力発電所の事故、平成元年(1989年)ベルリンの壁が崩壊、中国天安門事件、平成3年(1991年)にはソ連崩壊という大事件が勃発しました。さらに同年、湾岸戦争が始まっています。

ソ連の対艦飽和攻撃への対抗策

日本のイージス艦建造が計画された頃は、冷戦の終末期。日米はソ連という強大な仮想敵国を持っていました。それゆえ、ソ連の対艦飽和攻撃による脅威が、日本がイージス艦を保有する大きな要因となったといわれます。対艦飽和攻撃とはどのようなもので、なぜソ連はその戦術を進めたのか、それを知るために簡単にソ連海軍の歴史を振り返ってみます。

ロシア海軍は、17世紀末のロシア帝国海軍創設に始まります。日露戦争頃には10隻の潜水艦を有する大海軍となっており、「南の土地、不凍港が欲しい」という、いかにも白人らしい徹底的な侵略嗜好により日露戦争となります。

自信満々で戦ったロシア帝国海軍でしたが、黄海海戦、日本海海戦などに大敗、大日本帝国海軍によってほとんど壊滅という状態に追い込まれます。そして、大正6年(1917年)のロシア革命によりロシア帝国海軍は終焉を迎え、ソ連海軍へと生まれ変わります。

ソ連海軍は陸軍戦力に重点を置いたため、海軍は沿岸警備という面が強く、そのために有効な潜水艦の増強を図ります。第2時世界大戦後も潜水艦の増強を進め、弾道ミサイル搭載艦などは西側自由陣営に先んじて配備しました。

米国は航空母艦を中心とした洋上戦力の強化を進め、ソ連は地理的条件から陸上戦力を中心に戦力を強化し続けます。昭和37年(1962年)のキューバ危機に際して、外洋における米国洋上戦力の力を思い知らされたソ連は、その対抗策に迫られ、対艦ミサイルによる飽和攻撃という戦術を進めます。

対艦ミサイルによる飽和攻撃は、大型爆撃機、水上艦、潜水艦などから一斉に米空母めがけて対艦ミサイルを発射し、空母部隊の防空能力を超えて撃沈しようというものです。ソ連はTu-22中距離爆撃機、長距離空対艦ミサイルKh-22(次第飛翔速度マッハ4.6、射程600km)を投入し、西側自由陣営の大きな脅威となりました。

対艦飽和攻撃に直面した場合、従来ような人の手に多くを負った戦闘システムでは対処しきれません。この脅威が日本のイージス艦保有に繋がりました。

128以上の目標を補足・追跡し、10以上の標的を同時に迎撃するイージス武器システム

「こんごう型」に搭載されたイージス武器システムは多機能レーダーAN/SPY-1Dを中心に各種レーダー、センサー、アンテナ、データリンクなどの情報を集約し、最適な戦闘をオペレートするものであり、人間が個々に情報収集し、判断、攻撃という時代とは比べ物にならない戦闘力を発揮します。128以上の目標を同時に補足追跡し、10以上の目標を同時に迎撃する能力を持っているといわれます。そして、このイージス武器システムを搭載した艦艇はイージス艦といわれます。

「こんごう型」2番艦「きりしま」(DDG-174)の艦橋。イージス武器システムの中核をなす多機能レーダーAN/SPY-1Dが納められています。写真:海上自衛隊
「こんごう型」2番艦「きりしま」(DDG-174)の艦橋。イージス武器システムの中核をなす多機能レーダーAN/SPY-1Dが納められています。写真:海上自衛隊

日本の海上自衛隊は、平成28年(2016年)現在、「こんごう型」4隻、「あたご型」2隻、計6隻のイージス艦を保有しており、これは米国に次ぐものです。さらに、平成29年・30年に計2隻のイージス艦建造計画があり、これが就役するとイージス艦8隻体制となります。

弾道ミサイル防衛を担う「こんごう型」

1998年(平成10年)北朝鮮がテポドン1号の打ち上げを強行したため、弾道ミサイル防衛(BMD)の日米共同開発が始まり、日本はイージス艦とPAC3による多層防衛システムを構築しました。

「こんごう型」は約340億円の予算によりBMD能力が付与され、続いて「あたご型」にも同様に改修がなされたため、横須賀の米軍基地を母港とする米海軍イージス艦とあわせ、10隻以上のBMD能力を持つイージス艦が日本にあることとなります。

平成18年(2006年)の北朝鮮による発射実験の際には、こんごう型の「こんごう」(DDG-173)と「みょうこう」(DDG-175)が日本海に展開し、テポドン1号の探知・追尾に成功しました。

平成19年(2007年)12月18日、ハワイカウアイ島沖において弾道ミサイル迎撃実験のため、RIM-161スタンダードミサイル3(SM-3)を発射する、海上自衛隊のイージス護衛艦「こんごう」(DDG-173)。写真:USNAVY
平成19年(2007年)12月18日、ハワイカウアイ島沖において弾道ミサイル迎撃実験のため、RIM-161スタンダードミサイル3(SM-3)を発射する、海上自衛隊のイージス護衛艦「こんごう」(DDG-173)。写真:USNAVY

武装

◎54口径127mm単裝速射砲
艦の前方に設置されている艦載砲。イタリアのオート・メラーラ社が開発した艦載砲システムです。昔の戦艦は艦載砲を主力としていましたが、今や軍艦における戦闘力の中心はすっかりミサイルと電子機器となりました。1950年代〜60年代のミサイル万能論全盛時には、米海軍でも艦砲を搭載しないミサイル巡洋艦が建造されたこともあります。

しかし艦砲の優れたコスト、近距離戦闘での利便性などから、現在では最新イージス艦においても艦砲が搭載されています。昔の戦艦が搭載していた巨大な艦砲とは異なり、単裝で口径も小さくなっていますが、技術の進歩により高性能化しています。本艦の「54口径127mm単裝速射砲」は1分間に45発を発射し、有効射程は約30km、遠隔操作化され砲塔内は無人です。

◎高性能20mm機関砲(CIWS)
54口径127mm単裝速射砲よりも近距離、約1.5kmを有効射程とする米国、レイセオンシステムズ社が開発した、近接防御火器システム(CIWS=Close In Weapon Systtem)です。半世紀以上前から使われているM61A1という20mmガトリング砲を、レーダーと火器管制システムにより完全自動化したものです。毎分3,000〜4,500発を発射します。

◎Mk41 VLS
打撃力の中心となるミサイルを発射するのはMk41 VLS(Vertical Launching System)と呼ばれる米国製のミサイル発射機です。日本語ではMk41垂直発射システムといい、その名のとおり、ミサイルを縦に1発収納した筒が整然と並んでおり、垂直にならんだ蜂の巣のようです。

「こんごう型」は艦首甲板に29筒(セル)、艦尾甲板に61筒(セル)、計90筒(セル)が裝備されています。発射する場合には、その筒の先端がパカっと空いて、そのまま発射されます。VLSからは、SM(スタンダードミサイル)-2、SM-3(弾道ミサイル防衛用)という対空ミサイル及び、VLA(VL-Asroc)という対潜ミサイルを発射します。

SM(スタンダードミサイル)は、西側自由諸国で標準的に利用される米国製ミサイル。主に「あたご型」のようなイージス艦に搭載され、飛来するミサイルや航空機を撃墜するために使用されます。

SM-2は通常のミサイルや航空機を迎撃し、SM-3は弾道ミサイル防衛に使われます。敵戦闘機や敵艦から発射されたミサイルが「あたご型」に襲来した場合にはSM-2で粉砕し、弾道ミサイルや偵察衛星などは、SM-3によって撃ち落とします。ちなみにSM-3の価格は1発約20億円です。

SM-2にはいくつかのバリエーションがありますが、概ね全長4.72m、直径0.35m、重量700g、射程距離70〜160kmといったスペックです。

弾道ミサイル防衛用のSM-3は、北朝鮮による度重なるミサイル発射実験を契機に開発・国産化が進められており、現在ではSM-3 Block2Aの生産体制の準備が予算化されています。当初のSM-3は射程距離700kmと中距離弾道ミサイルへの対処が限定的でしたが、Block2Aではこれに対処し、射程2,500km、最高高度1,500kmと飛躍的に性能向上がなされています。

VLA(VL-Asroc)はMk.41垂直発射システム(VLS)から発射するアスロック対潜ミサイル。射程距離は22km程です。

◎ハープーン4連装発射機
ハープーンは、米国マクドネル・ダグラス社が開発した対艦ミサイル。30以上の自由諸国が採用する代表的な対艦ミサイルです。全長は種類により差がありますが約4m、直径は約34cm、射程距離は124km〜315km、速度マッハ0.85で飛翔します。

発射されると自身のセンサーにより慣性誘導により飛翔し、目標近くになって自らのレーダーを作動させ、目標艦に向かいます。

◎68式3連装短魚雷発射管
米海軍が開発した水上艦用魚雷発射管。上記VLSから、VLAアスロックという対潜ミサイルが発射できるのだが、安価かつ信頼性が高いため裝備が続いています。

◎電子戦装置
「こんごう型」には技術研究本部が開発した国産のNOLQ-2電波探知妨害装置が裝備され、電波探知と電波妨害の両方を行ないます。「あたご型」にも改良型NOLQ-2Bが裝備されていることから、日本イージス艦の標準といってもいいでしょう。

◎艦載機
ハンガー(格納施設)はないものの、後部にはヘリコプター甲板があり給油機能ももっています。

運用者海上自衛隊
主要なバリエーション
生産数
スペック型式
全 幅21m
全 長161m
全 高
翼面積
自 重
総重量/最大離陸重量
発動機COGAC方式/ゼネラル・エレクトリック(IHIライセンス生産)LM2500型ガスタービンエンジン(25,000ps)×4
最大速度
実用上昇限度
戦闘行動半径
航続距離
乗 員300名
初飛行
就 役平成5年(1993年)〜平成10年(1998年)
退 役
兵 装